みちのりホールディングス、日立電鉄交通サービス、ジョルダン、産業技術総合研究所の4者は10月19日、茨城県日立市で同日に開始した、産業技術総合研究所が経済産業省及び国土交通省から受託実施するラストマイル自動走行の実証に参加し、将来の自動運転バスサービスの提供を想定した一般市民向けの実証実験を実施すると発表した。期間は10月28日まで。
同実証では将来のバスの自動運転化を見据え、ルート検索、チケット購入、タッチレス乗車など、サービス体験の変化を実際に利用者に感じてもらうことで、サービス提供における課題抽出と改善策の検討に役立てるという。
また、専用のスマートフォンとアプリを準備し、自動運転実証に合わせたサービスを提供する 。
実施場所は、茨城県日立市の大甕駅からおさかなセンターまでの区間、実施時間は概ね9時から16時の間の1日8便。
同実証で実施するサービス体験ではスマートフォン用アプリを準備し、乗車前のルート検索から、事前のチケット購入、乗車時のタッチレス乗車、車内トラブル時の案内表示など、将来的な無人バスサービスの利用体験ができるという。
なお、このタッチレス乗車体験は、ヤマハが開発しSoundUD推進コンソーシアム が提供する技術を、チケット認証用に日本で初めて利用した事例になる。
バス車内に設置したスピーカーから認証用の音声トリガー(音波)を再生し、手元のスマートフォンアプリで音を拾うことで乗車確認を行うという。下車時には、音を拾わなくなることで下車を判断する。
またサービス体験では、自動運転バスへの乗車前決済を想定し、バス停でのQRコードによる決済体験も提供しているという。
同実証では、2018年2月にみちのりグループの会津バスで試験導入したスマートバス停を応用し、電子ペーパー部分に決済用のQRコードを表示することで、バス乗車前のバス停で事前決済する仕組みを体験できる。なお、実際の決済は行わず、仮想的な決済の体験になる。
提供するアプリの検索サービスに連動して、事前に検索を行った利用者の情報がわかることから、バス停で待つ乗車利用者をカウントし、表示する機能を提供するという。
同機能は、バス停とバス車内に設置したビーコンを利用者が持つアプリで検知することで、人数を確認している。
自動運転技術の導入では、バスそのものの乗り心地の変化よりも、利用者との接点や乗車方法などのサービス接点での変化が大きくなるという。
同実証では、将来の自動運転バスの導入を見据え、自動運転技術周辺のサービス検討・開発を行い、車両導入時のサービス提供を容易にすることを目指すとしている。