スキャンして生成したPDFは、ページの向きが90度単位で回転していることもしばしば。スキャナ付属のユーティリティやAdobe Acrobatなどの編集ソフトを使えば回転は容易だが、それらがない環境で、あとからページの向きの誤りに気づいた場合は厄介だ。ページ数が多い中で、1ページだけ向きが違っているのは不格好だし、タブレットなどで全画面表示しているとストレスも溜まる。
こうした場合に役に立つのが、PDFのページの向きを回転させられるWebサービスだ。機能としてはそう珍しいものではないが、サービスによってはプレビュー機能がないためにどのページを回転させればよいか画面上で判断できなかったり、またページ単位ではなくファイル単位でしか回転できないなど、使い勝手は千差万別。
今回はページ個別の回転に対応、かつ最低でも容量10MBのファイルを扱えることを条件に、5つのサービスを紹介する。
なお、各サービスともスキャンPDFを用いた検証を行っているが、ファイルの内容や生成ツールによってはレイアウトが崩れるなどの相性問題が起こる可能性はある。使ってみて問題があった場合は別サービスを利用するなど、臨機応変に振り替えてほしい。また言うまでもないが、クラウドへのファイルアップロードはセキュリティのリスクがつきまとうので、自己責任で利用してほしい。
Smallpdf
Smallpdfは、「PDFを回転する」機能を使うことでページの回転が可能。任意のページを回転するほか、全ページを回転させることも可能。Google DriveおよびDropboxからの直接読込および保存にも対応する。ページの削除も同時に行える。ダウンロード時のファイル名は「元ファイル名-rotated.pdf」で、ファイルは60分で削除される。サムネイルの読み込み速度は他のサービスと比較しても高速。
Sejda
Sejdaは、「Rotate」機能を使うことでページの回転が可能。任意のページを回転するほか、全ページ、および奇数ページや偶数ページを指定しての一括回転も可能。90度単位ではなく180度の回転にも対応する。サムネイルのサイズ調整が可能なのは便利。ダウンロード時のファイル名は「rotated_元ファイル名.pdf」で、ファイルは5時間で削除される。容量の上限は50MBまたは最大200ページまで。
Allinpdf
Allinpdfは、「PDFを回転する」機能を使うことでページの回転が可能。提供されているのは任意のページの回転機能のみで全ページ一括の回転などには対応しない。ダウンロード時のファイル名は「rotated_元ファイル名.pdf」で、ファイルは30分で削除される。メニューは日本語化されているがややたどたどしい。また他のサービスと異なり、加工を行ったファイルは容量が2~3割減る傾向にある。
PDF24 Tools
PDF24 Toolsは、「PDFページを回転する」機能を使うことでページの回転が可能。任意のページ回転のほか、全ページを一括回転させることも可能。Google DriveおよびDropboxからの直接読込および保存にも対応する。ダウンロード時のファイル名は元ファイル名そのままなので、誤って上書きしないように注意したい。ファイルが削除されるまでの時間は「短時間」とのみ記されている。
Hipdf
Hipdfは、「PDF回転」機能を使うことでページの回転が可能。ファイル単位もしくはページ単位の回転に対応し、後者では任意のページのほか奇数ページおよび偶数ページを指定しての一括回転、またページ番号を入力しての回転にも対応する。Google DriveやDropbox、Boxからの直接読込および保存にも対応。こちらもダウンロード時のファイル名は元ファイル名そのままなので、上書きには注意したい。ファイルは60分で削除される。10MBオーバーのPDFを扱う場合は無料登録が必要。