Los Angeles to use body scanners on metro ridersnaked security

米国運輸保安庁(Transportation Security Administration)では、空港のチェックポイントなどでの不法な銃器の持ち込みをプレスリリースで配信しているが、9月だけでも銃の写真や携帯状況など10件近くの事例を配信している。ハイジャックテロのような最悪の想定を考えると、入り口での荷物チェック業務の負担は計り知れないものがある。

ロサンゼルス郡都市圏交通局(LA Metro)と米運輸保安庁(TSA)は新たに導入するシステムについて共同のプレスリリースを8月に発表している。プライバシーとセキュリティの間には、常に課題が生じるがロサンゼルスが地下鉄乗車客をスキャンするボディスキャナーを全米で初めて導入する。テロをはじめとした安全上の脅威に対抗するのが目的だ。テクノロジー分野での執筆実績が豊富なLisa Vaas氏がオウンドメディアSophos naked securityでこのシステムを紹介している。

プレスリリースよると「米国の運輸システム上での武器や爆発物などの安全に危害を加えるデバイスを検出」すると目的を記している。テロをはじめとした大きな事件を未然に防ぐことを目的としている。価格は1台あたり10万ドル以上するという移動式の「Thruvision TAC-TS4」はテラヘルツ波で旅行客の装着物や所持品から金属製、非金属性のオブジェクトのスキャンが可能で、即席爆発装置など集団虐殺を目的に使われる兵器を検出。空港で使われるものと似ているが、オブジェクトが密封されている場合、電波も遮断されるがThruvisionスキャナーはそのような遮断を検出し、体の上にブラックスポットあるいは色を重ねてレンダリングして知らせるものだという。実施時期など明確にはなっていない。

英Thruvision社の公式ページ

英Thruvision社の公式ページからは、実際の動画も見られるがこのようなビジュアルを利用したインジケーターが汎用のアバター上に表示される。旅客は一人一人スキャンを受ける必要がないので、列になって並ぶ必要がなく、地下鉄利用者はいつものように駅を歩くだけで良いそうだ。持ち運び可能な点やスピーディーなスキャニングは従業員による盗難などリテイルシーンでの活躍も期待できる。

広義のセキュリティに大きく貢献しそうな新たな技術だが、同稿には"Privacy"のタグが付されている。情報化社会ではデジタル化したデータが山のように溜まっていくが、安全のための技術を捨てていくわけには行かない。プライバシーを保ちつつ先端の技術を運用していくことが肝要だ。