サイオステクノロジーとSCSKは19日、サイオステクノロジーが提供するHAクラスターソフトウエア「LifeKeeper for Windows」(以下、LifeKeeper)に AWS(Amazon Web Services)上でHAクラスター構成が構築できる標準機能を共同開発したことを発表した。

昨今、企業のITシステムは急速にクラウドへの移行が進んでいるが、これまで自社でシステムの設備を管理するオンプレミス環境において十分に確保されていたアプリケーションレイヤまで含めた高可用性を、AWSなどのクラウドサービス利用時にはどのように確保するかという課題があった。

また、多くのクラウドサービスは、システム障害やOSの異常終了時に自動的にリカバリーを行う機能を備えているが、アプリケーションレイヤまでの可用性は利用者側の責任で確保する必要がある。

サイオステクノロジーの「LifeKeeper」は、クラウド上のシステムをHAクラスター化することで障害時の自動復旧を実現できるソフトウェアで、国内外でSAPをはじめとした基幹システムで多くの利用実績がある。

一方で、基幹システムのクラウド移行においては、構成要素の一部が既存のオンプレミス環境に残ることがあり、専用線経由でAWSと通信する必要があるなど複雑化・多様化し、各システムで個別に作り込むといった対策が必要であった。

今回両社が共同開発した機能では、AWSが提供するAmazon EC2上で「ルートテーブルシナリオ」と「Amazon Route 53 の DNS レコードの IP アドレスの書き換え」により、アプリケーションレイヤまで含めた障害復旧や自動切替を実行可能にする。これにより顧客は、従来の可用性を維持したシステムをクラウド上で も容易に利用し、クラウド移行時の課題を解決できるという。

また、この機能は、9月19日にリリースされた「LifeKeeper」の最新版(v8.6.2)に組み込まれ、利用可能となっている。