ハイブリッドクラウドを構成する3つ目の要素である「エッジ」については、新たなプロジェクト「Project Dimension」が発表された。同プロジェクトは、データセンターからエッジまで、すべてのインフラを包括的に管理する単一の制御プレーンを提供する。

キーとなるコンポーネントは「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)アプライアンス」「ハイブリッドクラウド制御プレーン」「VMwareによるエンド・ツー・エンドのオペレーション」の3つだ。HCIアプライアンスをデータセンターやエッジに配置し、単一の制御プレーンから全ロケーションのインフラ監視・制御を行う。これにより、拠点ごとにサイロ化された運用管理を解消する。

  • 「Project Dimension」の主要コンポーネント

  • 「Project Dimension」の画面。すべてのロケーションが表示される

  • 「Project Dimension」の画面。問題が発生しているロケーションは円が赤く縁取りされる

  • 「Project Dimension」の画面。円をクリックすると、そのロケーションの詳細が表示され、さらにロケーション内のポイントまでブレイクダウンして情報を得ることができる

ヴイエムウェア チーフストラテジスト(EUC/IoT) 本田豊氏

エンドユーザーコンピューティングとIoTに関する発表については、チーフストラテジスト(EUC/IoT)の本田豊氏が説明した。エンドユーザーコンピューティングに関しては、「管理機能の強化」「アプリとデスクトップ仮想化の簡素化」「ユーザー環境を改善する機能強化」が行われた。

管理機能としては、デジタルワークスペース・プラットフォーム「Workspace ONE」の機能である、マイクロソフトの「System Center Configuration Manager(SCCM)からの移行ツール「Workspace ONE AirLift」が一般公開された。

Workspace ONE AirLiftを導入することで、Windows 10を搭載するPCに対し、SCCMのポリシーを適用しつつ、アプリケーションやセキュリティのアップデートに関する管理はWorkspace ONEによって行えるようになる。

また、Workspace ONEが備えているセキュリティ機能とサードパーティーのセキュリティ製品との連携を可能にする「Workspace ONE Trust Network」について、カーボンブラック、Netskope、Lookoutとのテクニカルプレビューが発表された。

「アプリとデスクトップの仮想化の簡素化」としては、「Horizon 7 on VMware Cloud on AWS」のInstant Cloneのプレビュー、新たなHorizon Cloudのロケーション(Azure Government、ANZ)などが発表された。

ユーザー環境に関する新機能としては、VMware AirWatch Agent を組み込むことで、BYO(デバイス持ち込み)と会社支給のデバイスが混在する環境をサポートするWorkspace ONE Intelligent Hubが発表された。また、通知、連絡先情報、検索を可能にする新たなエンドユーザーサービスも発表された。

  • エンドユーザーコンピューティングに関する発表

IoTに関する発表としては、IoTインフラ管理ソリューションの最新版「VMware Pulse IoT Center 2.0」が紹介された。最新版の最大の特徴は、オンプレミスに加え、SaaSとしての利用可能になったこと。そのほか、デバイス登録機能の追加、アラートと通知機能の強化、アプリとコンテナ管理の強化が行われた。

  • 「VMware Pulse IoT Center 2.0」のポイント

加えて、本田氏は、VMwolrd2018で、親会社のDell Technologiesがエッジでのデータの収集と分析を行う「Dell Technologies IoT Solution for Surveillance」を発表したことを紹介した。同ソリューションには、VMware Pulse IoT CenterとVMware SDDCがバンドルされている。両社はエッジコンピューティングとIoTの分野でビジョンを共有しており、顧客のユースケースに特化したIoTソリューションを提供している。

  • 「Dell Technologies IoT Solution for Surveillance」の概要