肝心のカメラは、縦にレンズが2つ並ぶデザインで、上部がモノクロセンサー、下部がカラーセンサーとなっています。モノクロセンサーは、有効約1220万画素の1/2.3型Exmor RS for mobileを採用。カラーセンサーは、有効約1920万画素1/2.3型Exmor RS for mobileを採用しています。レンズのF値は、それぞれF1.6とF1.8です。

  • カメラはExmor RS for mobile、BIONZ、Gレンズという3つの高画質要素がそろったMotion Eyeカメラシステムを採用。これがデュアルになっているのが新しい点です

今回のデュアルカメラは、先日掲載した「“ワンソニー”で開発、Xperia XZ2 Premiumのデュアルカメラに迫る」で紹介した通り、高感度撮影機能の向上を狙って開発されたものだとしています。そのため、デュアルセンサーが動作するのは高感度撮影時に限られ、明るい場所の低感度撮影時はデュアルカメラを使っても意味がないそうです。HUAWEI Pシリーズのように、ダイナミックレンジや解像感を向上させるためには使われないわけです。

マニュアルモードでデュアルカメラを強制的にオンにして撮影すると、低感度時もモノクロカメラを使って画像合成を行っているようですが、画質の変化はほとんど感じられませんでした。低感度時に手動でわざわざデュアルカメラをオンにする必要はなさそうです。

実際の高感度撮影は、静止画でISO51200、動画ではISO12800まで増感します。ここまでの高感度になると、少々の明るさしかない状況でもかなり明るく撮影できます。とはいえ、かなりノイジーな画像になるので、常用するのは難しいでしょう。

  • ISO51200で撮影した風景。実際の見た目にかなり近づきましたが、全体にノイジーな仕上がりです

  • 同様にISO51200で撮影した写真。ノイズが多めながら、見た目に近い明るさで撮影できました

最高感度までになると、花火や月のような「明るい」被写体に使うには高感度すぎます。その明かりに照らされた被写体を撮る、といった感じで使うとよさそうです。手持ちの線香花火の光で人を撮る、というのもよさそうです。赤外線カメラレベルとはいいませんが、星を撮影するとか、暗闇で眠る子どもの寝顔を撮るとか、限られたシーンで使えるでしょう。それでも、今までは決して撮れなかった暗いシーンで撮影できるのは面白いものです。

高感度撮影性能を底上げしているデュアルカメラですが、シングルカメラでも全体的に画質は向上しているということです。実写した印象では、ISO800までは普通に使える画質で、ISO1600も悪くないレベルといえます。さすがにISO6400以上は厳しくなるので、より低ノイズで撮れるデュアルカメラに頼るほうがよいでしょう。

  • デュアルカメラによるISO6400での撮影(左)とシングルカメラのISO6400での撮影(右)。デュアルカメラのほうがノイズが少ないのが分かります

近接撮影時に発生する色ズレには要注意

ただ、Xperia XZ2 Premiumのデュアルカメラにも欠点が存在します。近接撮影には向いていないという点です。2つのカメラの画像を合成する関係上、近い距離だと被写体の合成がうまくいかないからです。実際、近くの被写体を撮ろうとすると、不自然な色ズレが起きてしまいました。

  • 色ズレが発生した例。手前のカラーチャートや、ぬいぐるみの足の色がおかしなことになっているのが分かります

  • 撮影距離が近すぎて色ズレが発生しそうな場合、被写体から離れるよう指示が出ますが、そのまま撮影することも可能です

画面上には「被写体から離れて」という旨の警告が表示されます。推奨は1m以上とのことですが、テストした限りは1m以上離れていても警告が表示されることもありました。画面上で色ズレが確認できなければそのまま撮影して問題ないですし、警告があっても撮影自体はできますので、多少色ズレしても構わなければそのまま撮ってもよいでしょう。