デルは6月26日、ビジネス向けクライアント新製品の発表会を開催しました。中心はビジネス向けのPシリーズモニタ(5製品)です。また、企業向けクライアントPCであるOptiPlexシリーズが25周年を迎えており、その説明もありました。
企業向けは21四半期連続のシェア増と好調
デル 執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部長の田中源太郎氏によると、デルは世界市場において21四半期連続でPCのシェアを伸ばしており、昨年(2017年)はモニタ、ThinClient、ワークステーションの分野でシェアトップとなったそうです。日本市場でも、法人向けPC、ワークステーションとモニタの分野で8.0%~11.4%の出荷台数増と、存在感を増しています。
その法人向けPCの中でおもに大企業向けとなるOptiPlexシリーズは、今年(2018年)で25周年を迎えました。累計で2億3,500万台を出荷しており、日本では昨年(2017年2月~2018年1月)の間に39万台近くの受注を得たそうです。最近の傾向として、57%がパートナー経由の販売となっており、パートナーのおかげで特殊な業界にもアプローチできているといいます。
デル クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品マーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャーの飯塚祐一氏によると、「企業には買ってから移動していないノートPCが63%もある」とのこと。企業の導入でノートPCが当たり前になって久しいのですが、企業内ではノートPCの可搬性を生かしていないケースが多いようです。また、企業内ではまだまだデスクトップPCが多く使われています。
そこでデルは、AIO(オールインワン)のデスクトップPC、いわゆる液晶一体型を提案の一つとしています。このタイプなら、机上の場所もそれほど取らず、ノートPCよりも広い画面で生産性も高い、コストパフォーマンスも高い……というのが理由です。2018年5月に発表した7種類の新製品において、うち3製品がAIO、27インチ製品も投入しました。
AIOにおける強化ポイントの一例として、ポップアップカメラとアーティギュレーティングスタンドも紹介。前者は、普段は隠れているカメラです。セキュリティ上の理由から、企業ユースではPCのカメラ機能を排する傾向にあります。ポップアップカメラなら必要なときだけ有効にして、「知らぬうちに勝手に撮影されていた」という懸念がありません。Windows Helloによる認証にも役立ちます。
アーティギュレーティングスタンドは、スタンドの可動範囲が広く、いっぱいに倒すとほぼ机と水平になる仕組み。一対一のうち合わせなどで、お互いが資料を見ながら話が進められるメリットがあります。
狭額縁とベース面積の削減、進化したPシリーズモニタ
モニタ製品に関しては、Dell Inc. プロダクトマーケティングコンサルタントのビネイ・ジャヤクマール氏が説明しました。ある調査で「大きなモニタと高解像度が生産性を上げる」と回答した人が過半数を占めた一方、デルの独自調査では、デスク上の乱雑さとスペースのなさ悩みを持つオフィスワーカーが多いことがわかりました。
今回の新製品では、デジタルハイエンド製品で導入されていた「3辺極薄ベゼル」と本体が薄い製品をそろえ、より机を広く利用できるようにしています。3辺極薄ベゼルは複数台のモニタを並べて利用するときの見栄えに大きく影響するので、生産性を上げたいという人には見逃せませんね(日本では、企業でのデュアルモニタ導入はまだ限られた分野になっているそうです)。