多様なインターネットインフラサービスを提供するさくらインターネットとIchigoJam事業を運営するB Inc.は、IoTやAI、ビッグデータを活用したデータ事業で業務提携を行うことを26日、発表した。
jig.jpのグループ企業であるB Inc.は、自身で組み立てる"ワンボードパソコン"IchigoJamを事業展開している。手のひらにのるIchigoJamは、テレビとキーボードを接続、プログラミング言語Basicを用いて、プログラミングを学べるほかボード、半田付けによる組み立てまで対応する。やる気があれば個人でも広く拡張でき、子供を対象としたプログラミング教室などでも利用されている。
公式ページの"使ってみた動画"にはセンサーを活かした雪だるまゲームや、電子楽器メーカーKorg(コルグ)のリズムマシーンvolca beatsのリズムに合わせた入力など連携により広がるIchigoJamの様子が掲載されている。余っているキーボード(PS/2)とテレビがあれば始められる手軽さ、大人でも普段とは違った体験を味わえる楽しさがある。また同社は、オープンデータを簡単に公開できるサービス「オープンデータプラットフォーム(odp)」も展開しており、自治体をはじめとしたオープンデータ公開のためのインフラを提供している。
今回、両社は、IoTやAI、ビッグデータを活用したデータ事業での業務提供を行うことを発表した。さくらインターネットは、IoTプラットフォームサービス「sakura.io」、IoT/M2M向けSIMサービス「さくらのセキュアモバイルコネクト」、AI・ディープラーディングインフラサービス「高火力コンピューティング」とAIやディープラーニング、IoTにクラウドとデータ活用のための各種インフラを揃えており、昨年4月には福井県鯖江市とjig.jpとでIchigoJamを用いた"バス乗客リアルタイムオープンデータシステム"の運用を開始している。
バスの運転手の操作盤ボタンから乗降者データを集計する試みでデータは鯖江市のオープンデータWebサイト「データシティ鯖江」で公開されている。IchigoJamというボードレベルの素材からクラウドを通じたデータ集計、オープンデータ化という流れを鯖江市と協力することで実現している。さくらインターネットは、5月に経済産業省の「平成30年度政府衛星データのオープン化及びデータ利用環境整備事業」に係る委託契約を締結したことも発表しており、政府衛星データのオープン&フリー化によるマーケットプレイス創出へと取り組むことも明らかにしている。
両社は、内閣府提唱の「Society5.0」によるIoTやAI、ビッグデータの活用による経済発展と社会課題解決に触れ、両社の強みを活かすことで、データを中心とした新たな社会の構築とオープンデータによる社会変革に貢献したいとしている。