ファーウェイは5月10日、クラムシェルモバイルPC新モデル「MateBook X Pro」や、Androidタブレット新モデル「MediaPad M5」シリーズ2機種などを発表しました。本稿では、発表会場で展示されたPC製品の外観や、簡単な使用感などを紹介します。詳しい仕様などはニュース記事(MateBook X ProMediaPad M5)を参照してください。

映像が浮いているように感じる、狭額縁のインパクト

  • MateBook X Pro

MateBook X Proは、ファーウェイのクラムシェルモバイルPCの最上位モデルとして位置付けられる最新モデルです。ボディは従来モデル同様のマグネシウム合金のユニボディで、継ぎ目のない美しい仕上がりとなっています。表面はサンドブラスト加工、側面角はダイヤモンドカット加工が施されていて、見た目にもなかなか高級感があります。ボディカラーはスペースグレーとなります。

サイズは、304×217×4.9~14.6mmと、従来モデルよりもやや大きくなってはいますが、モバイルPCとして十分満足できるコンパクトさです。それに対し重量は約1.33kgとかなり重くなっています。実際に手にしてもずっしり重く感じます。最近は1kg前後の軽量モバイルPCが増えていますので、この重さは少々残念な印象です。

ディスプレイを開くと、その画面占有率の高さに驚かされます。3,000×2,000ドット表示に対応する13.9型低温ポリシリコン液晶は、上下左右のベゼル幅が極限まで狭められています。表示領域はディスプレイ面の実に91%に達していて、映像がその場に浮いているかのような印象も受けます。合わせて、表示品質の高さもなかなかのものです。sRGBカバー率100%とされていますが、確かに表示される画像のクオリティはかなり優れています。これなら、写真のレタッチ作業などにも対応できそうです。

  • ディスプレイは3,000×2,000ドット表示対応対応の13.9型液晶。上下左右ともベゼルが極限まで狭められていて。そこに映像が浮かんでいるかのような印象だ

  • sRGBカバー率100%の高品質表示に対応。デジタルカメラの写真も非常に鮮やかに表示できる

そして、MateBook X Proではタッチパネルも搭載しています。タッチ操作で軽快な操作が可能ですが、残念ながらディスプレイは180度以上開きませんので、タブレット相当としての利用はできません。

キーボードは日本語版。ギミックは良し悪し

日本では日本語キーボードモデルが発売となりますが、発表会では英語キーボードモデルのみの展示となりました。ただ、キーボードのハード的な仕様は日本語も英語と変わらないとのことで、英語キーボードでの感触は日本語キーボードでも同じものとなります。キーボードはアイソレーションタイプで、19mmフルピッチを確保しています。ストロークはかなり浅いですが、硬めの打鍵感で、しっかり叩いて入力する必要があるという印象です。タッチパッドは非常に大型で、こちらはかなり扱いやすいと言えます。

  • 会場では英語キーボードモデルしか展示されなかったが、国内では日本語キーボード搭載モデルを発売。フルピッチのキーボードはストロークが浅く、やや堅い打鍵感だ

そして、印象的なのがF6キーとF7キーの間に搭載されているポップアップカメラです。ボタンのようになっていて押し込むとカメラが飛び出し、もう一度押し込むと収納されます。必要な時だけカメラをポップアップさせることで、不要なときにはカメラが機能せず、プライバシーが守れるという点は、他にはない魅力となるでしょう。ただ、F6やF7キーを多用する人は、この場所にカメラがあるという点が気になりそうです。

  • F6キーとF7キーの間にWebカメラを搭載

  • カメラはポップアップ式で、必要な時だけポップアップさせて利用する。不要なときは収納することでプライバシーが守れる

ポートは、左側面にUSB Type-CとThunderbolt 3、ヘッドホンジャック、右側面にUSB 3.0と、必要最小限です。ただ、Thunderbolt 3があるので、ポートリプリケータなどで強化が可能なので、拡張性は大きな問題はないでしょう。また、USB Type-CとThunderbolt 3は双方がUSB PDに対応します。どちらにACアダプタを接続しても給電が可能です。

このようにMateBook X Proは、ハイエンドモバイルPCと呼ぶに相応しい、魅力的な製品に仕上がっていると言っていいでしょう。

  • 天板。マグネシウム合金削り出しのユニボディは、シンプルながら非常に高級感がある

  • 本体正面

  • 左側面。高さは4.9~14.6mmと、十分な薄さを実現

  • 背面

  • 右側面

  • 底面

  • 左側面にはヘッドホンジャックとUSB Type-C、Thunderbolt 3を配置。USB Type-CとThunderbolt 3はいずれもUSB PD対応で給電が可能だ

  • 右側面にはUSB 3.0 Type-Aポートを備える

  • キーボード左右にツイーター、底面にサブウーファーと、4スピーカーシステムを搭載、Dolby Atmosにも対応し、薄型ノートとは思えない迫力のサウンドが再生される