• Dell EMC APJ OEM & IoT Solutions Group business&Technology Marketing リーダー Arun krishnaswamy氏(右)とDell EMC APJ Senior Regional Sales Director Mauro F氏(左)

デルはIoTに関して、何を提供しているのか?

Mauro F氏:IoTに関して、センサーからゲートウェイ、アナリティクス、サーバ、クラウドまで、すべてのソリューションを提供している企業はない。デルは、センサーはやっていないが、ゲートウェイ、インダストリアルPC、サーバ/ストレージのほか、クラウドもやっている。センサーからクラウドまで連続した流れでみると、デルはセンサー以外は持っているので、IoT時代に不可欠なインフラプロバイダという位置づけだ。

IoTに関して、日本での取り組みは?

Mauro F氏:横河やデンソーなど、たくさんのリレーションシップがある。ここ10年ほど、日本のOEMに対して、コンピュータインフラを提供し、提供先の知見と組み合わせて市場に提供している。日本でデルに関してIoTの印象がないのは、そのためだろう。例えば医療系では、MRI、CTスキャナ、リトリーバーシステムなどに使われている。そのほか、分散制御、プロセス制御などにわれわれのシステムが使われている。

今後は、分析はすべてエッジ側で行われるようになるのか?

Mauro F氏:エッジにデータが集まり、エッジで分析もできるが、クラウドでもできる。また、オンプレミスのサーバでもできる。将来は分散型になるということだ。10年後のIoTのシステムの分析が、それが必要とされるところで行うようになるだろう。それがエッジになるのか、クラウドになるかはわからない。

Arun krishnaswamy氏:センサーデータがシステムに取り込まれるのはエッジだ。そして、クラウドにデータが転送されるが、クラウドにすべてのデータを送る必要はない。必要なものだけをクラウドに送ればいい。クイックな返答が必要なものはエッジで行い、長期にわたるデータ分析はクラウドで行う。クラウドでは、マシンラーニングやディーブラーニングなどを適用し、予測補修など、エッジと異なる分析をすればいい。われわれは、その両方を行っていく。センサー以外はすべてやっていく。

Mauro F氏:エッジに関してわれわれは、厳しい環境で使えるコンピュータをすでに提供している。そういったコンピュータは摂氏-30度から+70まで対応し、油田や炭鉱などで利用されている。

では、デルはインフラのみを提供し、アプリケーションはパートナーと組んで提供するのか?

Mauro F氏:ソリューションはエコシステムのパートナーと組んで提供するのが基本だ。コンサルをやることもあるが、自分たちはアプリケーションはやらない。IoTシステムというのは俊敏性が重要で、いかに早くアプリを構築するかだ。そういった意味では、グループ会社にPivotalがあり、ISVはこれらのソリューションを利用すれば、すばやくアプリケーションをアジャイルで開発できる。

Arun krishnaswamy氏:最近は、分散制御システムなど産業領域も仮想化されており、グループ会社にVMwareもあるので、その技術を利用できる。

今後、パッケージソリューションを提供する可能性はあるのか?

Mauro F氏:検討はしているが、IoTは指紋のようにビジネによってニーズが異なる。そのため、パッケージにしても解決できる領域は少ないだろう。

今後、IoTに関して期待する領域は?

Mauro F氏:いろいろな領域があるが、交通監視、資産管理、ごみ処理、照明の管理などスマートシティはその1つだ。それは、政府がIoTの利点を理解しているからだ。現状、税金は壊れたインフラの修理に割り当てているが、一方で新しい取り組みに予算をかけらないという課題がある。IoTによってコスト削減ができれば、他の領域にまわすことができる。政府はそういったメリットも感じている。そのほか、車両管理、ビル管理、エネルギー管理、ビデオ監視、資産管理、ヘルスケアなどでも広がりが見られる。