一方、スノーピークの代表取締役社長 山井太氏も今回の施策に積極的だ。同社は売り上げの85%がキャンピングに関わるもの。前述したとおり、キャンプは非日常で、アウトドアブームが戻ってきているとはいえ、爆発的な売り上げ伸びは期待できない。
これからは、人間性の回復をテーマに、日常にもスノーピークの製品を浸透させたい考えなのだろう。特に同社は、キャンプ場に本社を建て、社員がのびのびと仕事ができる環境を構築した会社。3年前には、もっとも快適なオフィスに認定されたという。
サントリーのサポートで水源地にキャンプ場を
ただ、日常でのスノーピークの存在感を高めるだけではなく、キャンプにもさらなる力を込めるとしている。サントリーのサポートを受け、阿蘇か大山、南アルプスといった水源地で、キャンプ場なのかグランピング施設なのかを仕掛けたい考えだ。
いずれにせよ、飲料大手がアウトドアを前面に押し出す戦略をとってきた。以前から、アウトドア人気再燃の記事を執筆してきたが、飲料大手の参戦はブームが本物という証といえる。
さて、ハナシは変わるが、スノーピークという社名は同社が本拠を置く新潟県の名峰、谷川岳に由来しているという。この谷川岳の天然水を商品にしている企業もあるが、そこではなく南アルプスの天然水と組んだというのが面白い。もっとも、谷川岳の天然水は、鉄道施設のためのトンネル工事で、偶然水脈を当ててしまったというハナシだが……。