続いての「MWC2018現場レポート」は、同社の磯邊氏が「MWCに展示されていた端末トレンドの話は永野氏に取られてしまった」と笑いを誘ってから、2月にスペインで開催された、世界最大のモバイル展示会「MWC」(Mobile World Congress)の展示スペースの技術トレンドなどを報告した。

  • 毎年2月に開催される世界的な通信関連のショーであるMWC。携帯業界ウォッチャーにはもはや常識の感もあるが、業界がらみの大きな発表は大体ここをターゲットに行われる

今年のMWCは5G一色であり、5Gの特徴である「高速」「多接続」「大容量」「低消費電力」「低遅延」といった技術をアピールした展示が多かったとのこと。日本では2020年に商用化の予定だが、中国では2019年に商用化の予定と言われており、早期に市場を形成することでアドバンテージを狙っている感がある。

また、無線モデムのシェアが高いQualcommが無線LANの新規格である「IEEE802.11ax」の展示を行なっていたという。こちらは最大9.6Gbpsを目指す2.4GHz/5GHzの無線LAN規格で、現在ドラフト版の規格に対応したアクセスポイントが商品化されている。スマートフォンについては2019年頃に製品化が見込まれているようだ。

面白い話題としては、「会場スペースから読み解く業界勢力図」と題し、展示スペースの広さから企業の勢力を見積もるというもの。これは3位がソニー、サムスン、Qualcomm、2位がエリクソン、1位はHUAWEIとなり、特にHUAWEIは他社を圧倒する9,500平方メートル以上の広大なスペースを確保して、無料の食事サービスを提供するなど、精力的な展示を行っていたとのこと。世界的にシェアを伸ばす同社だが、その勢いはこのようなところにも現れているということで、現地取材ならではの情報だった。

  • ITバブル期の大手メーカーもかくや、という巨大なブース面積を占めるHUAWEI。面積の広さ=業界への影響力と言わんばかりだ