機能面での注目は、独自のAF(オートフォーカス)システム「デュアルピクセルCMOS AF」が進化したこと。測距エリアは、最大でセンサー面の横約88%、縦約100%にまで拡大し、測距点は最大143点に増加。瞳AFの搭載やAFフレームサイズ「小」への対応、最低測距輝度の拡大なども図られています。

  • AF方式は、1点AF、顔+追尾優先AF、ゾーンAFの3モードから選べる。測距輝度範囲はEV-2~18に拡大し、薄暗いシーンでもピントが合いやすくなっている

  • 「ONE SHOT」モードで「顔+追尾優先AF」を使用する場合、「瞳AF」をオンにしておくと、カメラに近い側の瞳部分にピントが合う

  • EVF使用時に、EVFから目を離さずにタッチパネル操作でピント位置を調整できる「タッチ&ドラッグAF」機能を上位機から継承。動作エリアは7タイプから選べる

  • ドライブモードの設定画面。高速連続撮影では、ワンショットAFで最高約7.4コマ/秒、サーボAFで最高約10コマ/秒に対応する

連写と動画機能も向上しています。連写は、AF追従で最高約7.4コマ/秒、AF固定で最高約10コマ/秒に対応。これまでのEOS Kissシリーズを超える中級機並みのスピードです。ただ、連続撮影コマ数はJPEGラージ/ファインで約33枚、RAWで約10枚と控えめ。続けて連写する場合は、バッファメモリの空きに要注意です。

動画については、3840×2160ドット/24pの4K撮影に対応したのが注目されます。ただ、4K撮影ではセンサー中央部の画素がクロップされるため、画角が狭くなります。また、4K撮影時のAFはコントラストAFのみになることは少々残念。動きの速い被写体を撮る際は位相差AFが働くフルHD画質を利用し、細部まで精密に記録したいシーンでは4K解像度に切り替える、といったように使い分けるのがいいかもしれません。

  • 動画の記録サイズ選択画面。4K撮影を行う場合は、モードダイヤルを動画モードの位置にセットする。そのほかの撮影モードでは最大でフルHD記録となる

  • 動画撮影時の露出は、オートのほかマニュアルにも対応。そのほか、4K動画からの静止画の切り出しやタイムラプス動画、最大120pのハイフレームレート撮影もできる

EOS Mシリーズでは初搭載となる「サイレントモード」にも注目です。このモードでは、電子シャッターを利用したシャッター音のない無音撮影ができます。演奏会や博物館、美術館など、シャッター音がマナー違反になる場所で役立つでしょう。

  • サイレントモードは、シーンモードのひとつとして用意される。連写やストロボ発光との併用はできない。撮影したタイミングが分かるように、レリーズの瞬間に画面周辺に白枠が表示される工夫は便利だ

  • サイレントモードでは、露出はプログラムAEのみとなる。絞りやシャッター速度、感度のマニュアル設定はできない。RAW記録や露出補正はできる