審査結果
2日目、14:30から審査が開始された。審査員は、以下の3名である。
- 石黒隆氏
太陽誘電株式会社 開発研究所 機能デバイス開発部 主席研究員 - 鎌田一郎氏
上毛新聞社 取締役事業局長 - 高木悟氏
Web×IoTメイカーズチャレンジ 2017 実行委員会 前橋運営委員会 委員長
KDDI株式会社 技術企画本部 技術開発戦略部 マネージャー
発表は、審査委員長である高木氏から行われた。まず、今回の目的は失敗してもらい、そこから次はこうしたいという楽しみを見出してもらうことだ。その意味では今回、みんな失敗してくれてありがとうございますと、感想を述べた。そして、最優秀賞には、Team AのAPI実装型授業高質化が選ばれた。その理由であるが、100%完成はしなかったが、仕組みやコンセプトがよく考えられている。WebのメカニズムやWebで可能なことを的確にとらえている点も評価ポイントになった。さらに、ブラッシュアップすれば、もっとしっかりとしたものになるのではないかという期待もあったとのことだ。
ここで、サプライズが発表された。最優秀チームには、3月24日に開催される「ぐんまプログラミングアワード」の“ファイナルステージ”で作品発表のチャンスが与えられる。さらに、作品展示も可能となった。また、作品展示も1チームだけでなく、さらにもう2チームにも権利が与えられた。今回は、これを特別賞として、Team Gのぐんまちゃん2.0とTeam Bのお知らせだるまくんと洗濯物に与えられた。
受賞の理由であるが、Team Gは、ハイテクぐんまちゃんの捉え方がよかった。鎌田氏は、においという集客力の高さに大きく期待していると述べた。お知らせだるまくんと洗濯物は、インパクトがあり、ビジュアルが最高であった。一般の方にとって、IoTはまだまだなじみが薄い。しかし、この作品の意味するところは、非常にシンプルでわかりやすい。石黒氏は、優れた作品はシンプルであることが多い、「こんなIoTなら私もできる」という印象を持たせられることも重要であると述べた。
その後、松本氏から参加者に修了証の授与が行われた。
ハッカソンの締め括りとして松本氏から、失敗を探るヒントになるよう、システム設計の基礎が解説された。また、優れたエンジニアに求められる要素などについても話があり、ハッカソンの終了となった。
その後、全員による懇親会となった。乾杯の音頭をとったのは、総務省国際戦略局通信規格課長の中溝和孝氏である。
中溝氏は感想として、大きな可能性を感じた。この経験は、将来、社会人になったときに必ず役に立つだろうと語り、参加者とスタッフの労をねぎらった。最後に、このようなイベントの成功は、地域のコミュニティの熱意が大きい。今後も地方での人材開発の場が広がることを期待したいと述べた。
今回のWeb × IoT メイカーズチャレンジ 2017は、全国5か所、あえて地方で開催されている。都心で開催されるハッカソンであれば、高いスキルと経験を持つ参加者が集まり、また違った盛り上がりのハッカソンになったであろう。しかし、IT系の勉強会やハッカソン自体が多くはない地方での開催で、かつ、若手人材育成にハッカソンという場を活用するとした今回のようなイベントは、参加者はもちろん、運営をサポートする地元関係者にとっても有意義であったように思う。関係者からは、次回も開催したいといった声も聞かれたので、チャンスがあればぜひ挑戦してほしい。