広い職場に温度コントロールがひとつ。一方では寒いというのに近くの方では暑い。換気や室温の調整は成されているのだろうか?とふと思ったことはないだろうか。職場における環境は、労働安全衛生法で詳細が定められており、騒音、気積、換気と細かな規定もある。職種や形態によりそのニーズが異なるとはいえ、職場の室内環境を改善していくことは、大切なことである。

安藤ハザマと富士ソフトは、HoloLensを使った室内環境可視化技術「環境ウオッチ」を開発したことを13日、発表した。「環境ウオッチ」は、室内空間の温度や気流分布の解析結果をARを用いて表示させるというもので、温度を球の色で示し、気流を円柱で示すなど現実空間の座標と各データ分布を結びつけることで、従来困難であった空調設計者、施工者、建物利用者間での空調計画イメージの共有が行えるようになる。Microsoftの「HoloLens」は、センサを駆使し、データと連動した空間のホログラフィックを操作できるMR(Mixed Reality)をも実現する端末として、航空会社のコックピット開発、建設業における現場での情報共有やシミュレーションと様々な形での実践が行われておりVRやAR、MRがビジネスシーンでの生産性にどのように寄与するかも期待されている。

  • 室内での温度分布可視化(同社資料より)

    室内での温度分布可視化(同社資料より)

  • 室内での気流可視化(同社資料より)

    室内での気流可視化(同社資料より)

両社は、技術の継続的開発を通じて快適性・省エネルギー性の両立した最適な温熱環境の計画・提供に役立てていきたいとしており、快適性・省エネルギー性の両立した最適な温熱環境の計画・提供やサーモグラフィーとHoloLensとの連携によるリアルタイム可視化などにも取り組んでいく予定。ヘッドセットをかけて空間に入るだけで、温度や湿度などがリアルタイムに計測できるシステムは快適な職場構築にも貢献していくに違いない。