エプソンが、約200人の大学生を対象に調査を行ったところ、4年間の在学中にプリンタで印刷する平均枚数は約1万枚。内訳は、ゼミ資料で3310枚、授業資料で2924枚、レポートで2236枚、その他で1524枚の合計9994枚に達するという。文系の場合には、2~3年生での印刷枚数がピークとなり、理系の場合には、学年があがるごとに徐々に印刷量が増加し、4年生になると論文関連の印刷が急増する傾向がある。

大学生協向けに販売しているエコタンクモデルの「EW-M571T」は、1枚あたりの印刷コストは、A4カラー文書の場合には約0.9円、A4モノクロ文書の場合には約0.4円となっており、インクカートリッジモデルの「EP-710A」と比較した場合、同調査をもとに算出したランニングコスト比較では、1490枚を印刷した時点でコストが逆転。そのタイミングは大学1年生の時点で訪れるという。そして、4年間で約1万枚を印刷した時点では、なんと12万8,000円も得になるという。

実際、大学生にとって、インクカートリッジの購入は大きな負担だ。

東京工業大学生活協同組合大岡山店・佐々木利彰店長は、「プリンタを購入しても、大学生協でインクカートリッジを追加購入する学生が少ない」と前置きしながら、「たとえば、すべてのカラーのインクカートリッジをまとめて買い換えると、5,000円以上の出費となり、学生にとって負担が大きい。インクがなくなって、印刷することをあきらめたり、印刷したいものを印刷せずに我慢したりといった学生が多いのではないか」と予測する。

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    東京工業大学生活協同組合大岡山店・佐々木利彰店長

理系の学生の場合は、実験室などにあるプリンタを利用する場合もあるようだが、文系の学生の場合は自宅にあるプリンタを利用するケースが多いという。とくに、一人暮らしをしている文系大学生は、インクカートリッジの負担がのしかかりやすいともいえる。

なかには、親にインクカートリッジを購入してもらい、送ってもらったが、所有している機種に対応していなかったため、親子喧嘩に発展したという例もあるという。

大学生協東京事業連合の中原次長は語り、「エコタンクモデルは、こうした不要な親子喧嘩を減らすことにもつながる」と笑ってみせる。