警察庁は12月25日、ビジネスメール詐欺に関する注意喚起サイトを公開した。ビジネスメール詐欺とは、自社の取引先や経営者になりすまして会社に偽のメールを送り、お金の入金を促す詐欺で、BEC(Business Email Compromise)とも呼ばれる。ビジネスメール詐欺の多くは、海外の銀行口座を振込先として利用するため、一度送金してしまうと、お金を回収することは難しいという。
警察庁のサイトでは、詐欺の手口や被害防止対策を公開。公開された詐欺の手口では、取引先の担当者になりすまし、「財務調査が入り従来の口座が使えない」などと理由をつけ、メールで振込先口座の変更を指示する事例が紹介されている。このほか、経営者になりすまし「極秘の買収案件で、資金が至急必要だ」として、指定する口座への入金を促し、「緊急かつ内密に送金してほしい」と付け加えることで、詐欺の発覚を遅らせようとする事例もあるという。
警察庁は、送金に関するメールを受信した場合、送信元とされている取引先担当者や経営者層に対し、電話やFAXなど、メール以外の方法で確認することが大切だとする。また、送信元のメールアドレスや、メール本文に記載された電話番号は偽装されている可能性があるため、相手の名刺や自分のアドレス帳を確かめてから連絡することを推奨。警察庁は、犯罪者がウイルスなどを利用して、普段から会社のメールを盗み見ている可能性もあるとして、PCのOSやウイルス対策ソフトを随時更新するよう呼び掛けている。