ハードウェアの展開としては、LINEスタンプのキャラクターを象った「CHAMP SALLY」「CHAMP BROWN」、さらに今回初めて発表された、それらのミニモデルの発売も予定されているという。ちなみにLINEはClovaの発表時に、スマートディスプレイ「Clova FACE」も「今冬発売予定」として発表しているが、その後メディアの前での発表はないので、開発に多少遅れが生じている可能性がある。

キャラクターを作用した「CHAMP」のサリーモデル(左)とブラウンモデル(右)。タカラトミーと提携しているので、そのうち同社からアニメやゲームのキャラクターモデルが登場するかもしれない

Clovaの目標はアジア圏での覇権か

音声アシスタントを搭載したスマートスピーカーというと、Clova WAVEとほぼ同時期にグーグルが「Google Home」の販売を開始したほか、アマゾンも年内に「Echo」シリーズの導入を発表済みだ。アップルも日本導入は未定ながら「HomePod」の販売を年末に控えている。

Clova WAVEと同日に日本語版が発表された「Google Home」。最初から発話認識を行えるなど、機能的にはClova WAVEを上回る点もある(画像:グーグルウェブサイトより)

スマートスピーカーや音声アシスタントがなぜ大きく注目されているのか。これは、スマートフォンがPCからの流れを汲んだGUIの技術であるのに対し、次世代のインターフェースは音声入力(VUI)になると考えられているからだ。日本人の感覚からはなかなか人前で音声によるコマンド入力や読み上げをしたくならないのだが、世界的にはそれほど忌避されているわけではない。

ディスプレイを注視していなければならないGUIに対し、VUIはディスプレイを持たないIoT全般に対する操作手段となりうる。また運転中のカーナビのように、ディスプレイはあるが両手が塞がっており、直接操作するわけにいかないといったシチュエーションも、VUIなら解決できるわけだ。いわゆるスマートホームにしても、IoTの一種である以上、多くの製品でVUIが使われることになるだろう。

ただし、AIアシスタントの開発には非常に大きな開発リソースが必要になる。IoTや家電メーカーが自社製品に搭載したくとも、簡単に開発できるものではない。そこで既存のAIアシスタントのライセンスを受けて自社製品に搭載するのが近道となる。AIアシスタントを開発している側にとっても、ライセンスがひとつの収入源となるだろう。

とはいえ、搭載した製品が販売したい市場での言語に対応していないようでは意味がない。従ってAIアシスタントにとって、認識率だけでなく、いかに多くの言語に対応するか、あるいはピンポイントでターゲット市場の言語に対応するか、が大きな問題になるわけだ。