セゾン情報システムズとタイのActivio、アットマークテクノは8月31日、共同で展示会場など不特定多数の観客が集まる会場の人流を分析しクラウドで監視・管理する IoT システムの実証実験を行うと発表した。実証実験は、9月1日~3日までタイのバンコク市内で開催されるイベント「JAPAN EXPO IN THAILAND」の会場で実施される。

実証実験のイメージ

実証実験を行うシステムは、無線LAN搭載端末のアクセスポイントをスキャンする技術を応用することにより、人の流れと動線の分析を行うことを目的としたものとなる。来場者が持つスマートフォンなどが発信する電波を会場内に設置された専用レシーバー(ゲートウェイ)が受信し、データをクラウドにアップロードすることで、クラウドに配置された動線解析システムが人流の見える化を実現するという。

システムは専用のゲートウェイ(アットマークテクノ製「Armadillo-IoT ゲートウェイ G3」)を設置するだけで簡単にデータ収集可能なことが特徴の1つであり、スマートフォンを使った動線解析システムとは異なり、来場者が専用アプリをダウンロードする必要がなく、不特定多数が往来するショッピングモールやイベント会場などでの動線の測定・分析をスムーズに実施することを可能としている。

収集したデータは、圧縮転送による帯域低減機能と暗号化機能を備えたファイル転送ミドルウェア「HULFT IoT」(セゾン情報システムズ製)を介して、クラウドサービスとシームレスかつ安全に連携。実証実験をJAPAN EXPO IN THAILANDの会期中に集中する人流データの計測を行うことにより、大量のデータ処理を行う際のシステム安定性を実証。会期後は実験結果を踏まえ、さらにシステムのブラッシュアップを図る予定だ。

各社の役割としてActivio は、各協力会社のコーディネーターとして、各社製の装置やサービスをベースとしたJAPAN EXPO IN THAILAND 2017向けの人流計測・動線解析サービスの開発および運用を担当。アットマークテクノは、人流を計測の役割を担う IoTゲートウェイを提供し、セゾン情報システムズはIoT機器とクラウドサービス間のデータ連携を行う「HULFT IoT」および、大規模なデータを連携する「DataSpider」を提供する。