米Amazonと米Microsoftは8月31日 (現地時間)、デジタルアシスタントの相互接続を実現するパートナーシップを発表した。Amazonの「Alexa」を利用できるデバイスからMicrosoftの「Cortana」に、逆にWindows 10デバイスの「Cortana」から「Alexa」にもアクセスできるようになる。
Amazon、Microsoft、Google、Apple、FacebookなどIT大手が人工知能 (AI)を用いたデジタルアシスタントの開発を競争しているが、全てに有能な万能アシスタントはなく、それぞれに強い分野と弱い分野がある。たとえば、Windows 10 PCにはCortanaが深く統合されていて、iOSデバイスで使うにはAppleのSiriが便利である。米国ではスマートスピーカー市場でAmazonのEchoシリーズがリードしており、家庭のリビングルームにはAlexaが最も浸透している。
問題は、各デジタルアシスタントがプラットフォームの壁に囲われていること。たとえば、リビングルームにいて、Windows 10で管理しているスケジュールの空き時間を確認したい時、Alexaに頼めることは限られる。もしデジタルアシスタント同士がコミュニケーションするようになったら、わざわざ仕事部屋に移動してPCを開く必要がなくなる。EchoデバイスでAlexaに「Alexa, open Cortana,」と言ってCortanaにつないでもらって、リビングルームに居ながらCortanaにスケジュールをチェックしてもらえる。
逆のケースだと、PCを使って仕事中におむつが無くなりそうになっていたのを思い出した時、Amazonのサイトを開かなくてもCortanaに「Hey Cortana, open Alexa,」と言って、Alexaにおむつの再注文を頼めば、簡単で仕事の中断も最小限で済む。
「ユーザーがあらゆるデバイスでどこでもCortanaにアクセスできるようにするのが我々の優先事項です」と、MicrosoftのCEOであるSatya Nadella氏は述べている。MicrosoftはWindows 10 PCのCortanaからAlexa接続をサポートし、さらにiOS用とAndroid用のCortanaのモバイルアプリでも利用できるようにする計画だ。
New York Timesによると、デジタルアシスタントのコラボレーションは2016年5月にAmazon CEOのJeff Bezos氏がMicrosoftのNadella氏に提案した。AppleやGoogleには同様の提案を行っていないが、相互接続への参加に関心があるなら「歓迎する」とBezos氏は述べていたという。