三菱電機は8月22日、ルームエアコン「霧ヶ峰」の「FZシリーズ」および「Zシリーズ」の新製品を発表した。FZシリーズは定格冷房能力4.0~9.0kWまでの6機種、Zシリーズは同2.2~9.0kWまでの12機種をラインナップ。発売日は、FZシリーズが11月1日、Zシリーズが12月中旬以降順次となっている。
価格はいずれもオープン。推定市場価格(税別)は、FZシリーズが328,000円前後(4.0kW)~480,000円前後(9.0kW)、Zシリーズが218,000円前後(2.2kW)~398,000円前後(9.0kW)。
大きな特長は、人工知能(AI)の採用だ。新たに搭載された赤外線センサー「ムーブアイ mirA.I.」が、床や壁からの輻射熱や日射熱など、部屋の温度状況を360°センシング。それにより得られた1分あたり約18,000枚の熱画像データをもとに、在室者の体感温度を独自のアルゴリズムで時系列的に分析し、断熱性などの住宅性能の判定を行う。
さらに、外気温や日射熱などが体感温度に与える影響を分析し、およそ30分後の体感温度を予測して先読み運転を行う。これにより、体感温度の変化を抑えるとともに、快適性と省エネ性の向上を図っている。三菱電機によると、エアコンが人工知能で体感温度を予測する機能は、世界初だという。
加えて、上位モデルにあたるFZシリーズでは、室外機の圧縮機に「Active Switch Compressor(アクティブスイッチコンプレッサー)を採用。これは世界で初めて2種類のDCモーター結線を持つ圧縮機で、モーター結線を自動で切り替えられるインバーター回路との連動により、ハイパワー運転時だけでなく、設定温度到達後の安定運転時も高効率運転を可能にした。ファンの直径と熱交換器の大型化も合わせることで、約2%の省エネ性能向上を実現している。
FZシリーズでは、「Active Switch Compressor」により、2種類のDCモーター結線を自動で切り替え、コンプレッサーの回転数をそれぞれの運転時に最適な状態で制御できるようになり、高効率化を実現した |
FZシリーズの室外機。圧縮機に2種類のDCモーター結線を備えているほか、ファンの直径が46cmから50cmに大型化、また熱交換器の面積も拡大したことにより、省エネ性が約2%アップした。反面、室外機の高さが80.2cmとなり、従来よりも8.8cm大きくなっている |
一方、Zシリーズでは「はずせるボディ」を新採用。FZシリーズでは従来から採用されていた機能で、室内機の前面パネルやフラップなどの外観パーツを取り外して簡単に手入れできる。さらに、Zシリーズに関しては、左右風向フラップを開閉できるため、通風路の内側にまで手を届かせてファンを手入れできる。また、カセット方式のため「フィルターおそうじメカ」を簡単に着脱可能で、掃除機などで表面のホコリも取り除けるよう改良されている。
FZシリーズでは従来モデルから採用されていた「はずせるボディ」をZシリーズにも展開。カセット式で「フィルターおそうじメカ」が簡単に取り外せるほか、前面パネルやフラップなどの外観パーツを取り外し、本体内部に手を入れて掃除できるようになった |
同日開催された記者発表会には、三菱電機 静岡製作所長の鈴木聡氏らが出席。新製品のお披露目に加え、1967年10月の発売からまもなく50周年を迎える「霧ヶ峰」が、ルームエアコンとして世界最長寿ブランドであることがギネス認定されたと報告。その歴史を紹介した。