スシローの強みについて、水留社長は「寿司にフォーカスして取り組んできたのが支持していただいている最大の理由だと思う。回転寿司の楽しみにはサイドメニューにもあるが、根っこは寿司屋。寿司に魅力を感じてもらうための取り組みが受け入れられたのだと思う」と話す。
スシローの原価率は高い。通常の飲食店は原価率が約30%だが、スシローの場合は約50%と高い。それは利益を圧迫する要因にもなるが、スシローの場合は、ネタに回す。そうした考えをベースに持っている企業だ。具体的な取り組みとしても、昨年11月から「世界の海からいいネタ100円PROJECT」を開始。一皿100円で、良質なネタを提供・販売する取り組みを半永久的に続けていく考えだ。
個性のある回転寿司チェーンに
ネタにこだわる姿勢はこの先も続く。スシローが現在取り組んでいるのが、上記のプロジェクトに加えて、地産地消的な取り組みだ。その代表例として、前浜プロジェクトと呼ぶものがある。
これは千葉をはじめとする各地の近郊で揚がった天然魚を近場のスシローでネタとして提供していくものだ。全国全店の規模では揃えられないが、エリア限定ならば提供可能になるネタだ。「いいネタだけど、全店で提供できる量にはならないようなものがある。そこに手を付けないのではなく、あるエリア、50店舗、80店舗だったら出せるというネタを取り上げていこうと。そのひとつが前浜のプロジェクト。いいものを目利きして買い付けて提供して行く」。
全国各地に点在する魚市場を巡ると、こうした素材はまだまだあるという。今はまだ千葉県、大阪府の一部店舗で提供する取り組みに過ぎないが、全国各地に広げていこうという考えだ。チェーン店であるにも関わらず、北海道と千葉県ではメニューに違いができる。個性のあるスシロー店舗ができるというわけだ。
16日14時更新 記事初出時に「舞浜プロジェクト」と表示しておりましたが、正しくは「前浜プロジェクト」でした。加えて「千葉・舞浜で揚がった天然魚を近場のスシローでネタとして提供していく」としておりましたが、こちらも「千葉をはじめとする各地の近郊で揚がった天然魚」が正しいものとなります |