中国の物流ロボットの製造・販売を手掛ける中国ギークプラス社は7月26日、日本市場の参入を果たすべく、日本法人であるギークプラスを8月1日に設立すると発表した。

中国ギークプラス本社は、現在までに物流ロボット産業において100億円以上の資金を調達しており、物流ロボット技術を手がけるアリババグループのT-mallはじめ、VIPShop、Suningを含む20以上の顧客から約1000台のロボットを倉庫に導入している。

同社の主力製品はAI物流ロボット「EVEシリーズ」。同シリーズの特徴として省人化、システムの活用、導入費用の早期回収の3点を挙げている。

「EVEシリーズ」

省人化では、ピッキング、棚入れ作業を自動化することができるため、従来の拠点では棚にある商品を人が取りに行く、もしくは棚入れをするといった作業が発生していたが、作業者の前に棚が来ることから歩く作業が軽減され、1時間に50点程度であったピッキング数を300点以上に引き上げることが可能となり、作業効率が向上するという。

システムの活用については、同シリーズを制御するシステム内ではモノが動いたデータを蓄積・判別し、人気商品の棚を出荷場近くに自動で移動するので、倉庫レイアウトの最適化が図れ、需要予測を可能としている。

導入費用の早期回収に関しては、これまで物流の大型機械の導入は高額な初期投資、資本回収の長期化などの導入リスクを抱えていたが、同シリーズは人に代わり作業を行い、人件費を削減できるため、約2年で導入費用の回収できるという。

日本法人は中国のギークプラス製品の輸入販売元として国内における販売、ユーザーサポート業務を通して顧客のロジスティクスパートナーとなり、あらゆる物流オペレーションの課題解決策を提供するとしている。また、ロボットソリューションの提供により、人手不足、働き方改革、作業環境改善、企業ブランディングなど、あらゆる側面から物流業界へ貢献していく考えだ。

今後の導入先としては、ECプラットフォーム、3PLプロバイダー、運送会社、オフライン小売業者、アパレル、医薬品、自動車およびエレクトロニクス製品の製造業者を主な利用者ターゲットとしている。なお、日本での第1号事例として、フルフィルメントプロバイダーのアッカ・インターナショナルが手がけるビルケンシュトックジャパンの公式通販サイト案件で導入している。