ユーザー企業4社が活用事例を披露

講演では、ユーザー企業4社が活用事例を紹介した。最初に登場した三菱東京UFJ銀行 専務取締役の村林聡氏は「レガシー企業でもデジタルトランスフォーメーションとしてAWSを活用している事例として紹介したい」とし、近年の取り組みを解説。「AWSはIT業界のシェアリングエコノミーだと思っている。みんなで使って、AWSとユーザー全員で進化させていきたい」と語った。

三菱東京UFJ銀行 専務取締役 村林聡氏

オープンイノベーションの具体的な進展

AWS本格活用から1年半、現在は10以上のサービスを利用している

2番目に登壇したのは、セイコーエプソン IT推進本部 本部長の熊倉一徳氏だ。2013年からクラウドへの移行を開始したが「クラウドというものを経営スタッフや社内に理解してもらうのは非常に困難だった」と語った熊倉氏は、クラウドは必須であるという信念を持って「Cloud first & fast」に取り組んできたという。

熊倉氏は「これからもAWSにはイノベーターとして発展していってもらいたいし、われわれもそれをしっかり活用してお客さまにより高い価値を提供、より多くの皆さまとのコラボレーションを目指して行きたい」と結んだ。

セイコーエプソン IT推進本部 本部長 熊倉一徳氏

AWSを活用したITトランスフォーメーション

取り組み中のデジタルイノベーション

続いて登壇したのは、レコチョク 執行役員 CTO 稲荷幹夫氏だ。同氏は、自社のビジネスがフィーチャーフォン向けの着うたから、音楽配信に関わる全般へと拡大してきた流れを紹介した上で「スマートフォン環境は、昨年AWSへ移行が完了しており、今年はガラケーのサイトを閉じてデータセンターのクローズドを行い、ほぼ全面的に移行した状態にある」と会員システムや決済システムなど既存システムの移行が完了していることを紹介。

今後はVRに力を入れて行く意向だとして「画質や端末の熱暴走など課題があり、ハードウェア待ちの状態ではあるが、配信環境はReadyにしておく必要がある」と語った。

レコチョク 執行役員 CTO 稲荷幹夫氏

レコチョクのVR展開

最後に登場したのはSansan Co-founder Eight事業部 事業部長の塩見賢治氏だ。個人向けの名刺管理サービスとして展開する「Eight」はサービス開始当初からAWSを採用している。

「開発時は別のクラウドを利用していたが、リリース直前に東京リージョンが登場して切り替えた。移行、AWSの新機能に支えられて成長してきた」と、塩見氏は語った。法人向けサービスのSansanでもAWSを一部利用しており、今後グローバル展開を目指す中でさらにAWSを活用して行きたいとした。

Sansan Co-founder Eight事業部 事業部長 塩見賢治氏

EightのサービスはAWSのサービスを活用している

今までできなかったことがクラウドで可能になる

講演の最後に、長崎氏は「われわれはさまざまなお客さまと世界中でビジネスをしている。もし、クラウドにもう一歩踏み込むために支援が必要な時、われわれあるいはパートナーに声をかけてほしい」と語りかけた。

また「クラウドによって今までできなかったことができるようになる。イノベーションのスピードは目まぐるしい。クラウドというのは一つの潮流となっている。デジタルトランスフォーメーション、ITのトランスフォーメーションを加速するお手伝いができると考えている」と、このクラウド活用を促すコメントで講演を締めくくった。