パソコンだけでなく、スマートフォンの分野でもSIMフリー市場で上位を争うなど、日本で高い存在感を示している台湾のASUS(エイスース)。スマートフォンメーカーとして見れば後発であり、世界的にもまだ規模が大きいわけではない。にもかかわらず日本で成功している理由はどこにあるのだろうか。
SIMフリー市場でトップシェアを争うエイスース
台湾のエイスースといえば、パソコンのマザーボードで高いシェアを獲得するなど、パソコン関連のパーツや、パソコン自体を手掛けるメーカーだ。日本でも安価なタブレットからハイエンドのノートパソコン、さらにはゲーミングPCなど、幅広いスタイルのパソコンを提供し、一定のポジションを獲得していることで知られている。
だがここ数年で、日本における同社の評価は大きく変化しており、従来より一層より大きく注目される企業となっているようだ。その理由はスマートフォン市場への進出にある。 エイスースは2014年にスマートフォン「ZenFone 5」を発売し、日本のSIMフリー市場に本格的に参入を果たしたのだが、それ以降、SIMフリー市場で急速に高い人気を獲得。その後も「ZenFone 2」シリーズや「ZenFone 3」シリーズなどを次々と日本市場に投入し、高い人気を獲得しているのだ。
実際エイスースは、中国のファーウェイや、「FREETEL」ブランドのベンチャー企業、プラスワン・マーケティングなどと並んで、SIMフリー市場でトップを争うポジションを獲得。現在ではパソコンメーカーとしてよりむしろ、スマートフォンメーカーとして知られる存在となりつつあるようだ。
だが世界第3位のスマートフォンメーカーであるファーウェイ、自身で通信事業を手掛けることで端末の販路を拡大しているプラスワン・マーケティングと比べると、エイスースの特徴や強みは弱いようにも感じる。にもかかわらず、なぜエイスースは日本で高い人気を獲得できているのだろうか。