さくらインターネットと三井住友海上火災保険は3月29日、さくらインターネットが提供する演算に特化した高火力コンピューティング基盤を利用し、ディープラーニングによる人工知能(AI)の学習に適したクラウド環境を共同で構築したと発表した。

三井住友海上では、自社が保有するビッグデータを活用したAI開発に取り組んでおり、すでに損害車両画像から修理費の見積もりを自動算出するプログラムの開発に着手している。これらの動きを加速させ、さまざまな用途に対応したAIを自社開発するため、ディープラーニングに最適な専用環境を構築した。

さくらインターネットが提供する高火力コンピューティング基盤は、NEDOの委託事業のスーパーコンピューターシステムにも採用されている。三井住友海上は、高火力コンピューティング基盤を提供するさくらインターネットと協業し、AI学習を高速に行えるハードウエアを構成するとともに、チューニングした専用のクラウド環境を構築。

同環境では、さくらの専用サーバ 高火力シリーズを採用しており、高性能なGPU(Graphics Processing Unit)をクラウドサーバに搭載し、機械学習やデータ解析向けに最適化することにより、各種ディープラーニングによるAIの学習効率が向上するという。

今後は、保有している大量のデータを有効活用してAI開発を進めるとともに、さまざまな企業等との協業・提携を通じ、社外の知見やノウハウを幅広く取り入れることで、革新的な商品・サービスを開発していく方針だ。