新ブランドはセルフィーに特化

そんなファーウェイが新たに展開するのが新ブランド「novaシリーズ」だ。もともとは2016年9月にドイツで開催されたIFA 2016で発表され、半年遅れで日本上陸となるブランドだ。自撮り機能、それに伴う美顔撮影機能を充実させたブランドで「HUAWEI nova」とその普及モデルの「HUAWEI nova lite」の2機種を2月24日に発売した。

HUAWEI novaは約5インチサイズ。カメラ画素数はlite版と変わらないが、ROM容量、CPU、対応する最大通信速度などに差が見られる。カラーバリエーションはミスティックシルバー/チタニウムグレー/ローズゴールドの3色

HUAWEI novaに搭載されるビューティーモードの例。ビューティーモードをONに下のが左

HUAWE novaに搭載されるメークアップモードの例

novaシリーズのターゲットとなるのは若い女性。発表会では、18歳から24歳までのセルフィー世代は、撮影する写真の3分の1が自撮り写真と例を挙げており、このあたりがコアターゲットと見られる。市場想定販売価格も「HUAWEI nova」が税別37,980円(nova liteはMVNOによる)とP9やMate 9に比べると手の出しやすい価格設定だ。

18歳から24歳までのセルフィー世代は、撮影する写真の3分の1が自撮り写真

新ブランドのターゲットはMVNOの鬼門

ただし、novaのターゲットはMVNO市場の鬼門でもある。MVNO市場を牽引してきたのは40代の男性であり、novaが狙う10代から20代、とりわけ女性についてはまだユーザーが少ないのが現実だ。そもそも10代から20代前半にかけては男女を問わずに、大手携帯キャリアが学割などでがっちりと固めている(正確には料金を支払う親を捕らえている)。

MMD研究所調べ。格安SIMユーザーを見ると男性よりも女性は少なくかつ10代から20代の女性もそれほど多くはない

ファーウェイは、Pシリーズ、Mateシリーズ、そして今回のnovaシリーズを主力三大ブランドとして位置づけており、これまで若年層が少なかったとしてnovaシリーズで脇を固めていきたい考えだ。NPSを指標として口コミ効果でうまくユーザーを取り込んできたという同社の作戦が、今回のも狙いどおりにいくのだろうか。勢いに乗るスマホメーカーの挑戦に注目したい。