NECネッツエスアイ(NESIC)とオンライン決済サービスである「PAY.JP」などを手掛けるBASEは2月1日、電源や回線が不要な電子スタンプを利用客のスマートフォンのアプリ画面に押す容易な操作で商品やサービスの代金決済を実現するという、モバイル電子決済認証基盤を開発したと発表した。

両社は、3月18日及び19日に沖縄県石垣市主催の「やいま石垣さんばしマーケット」において実証実験を行う。

実証実験のイメージ

新基盤は、NESICが店舗に提供する電子スタンプである「PlusZone /Stamp(プラスゾーン・スタンプ)」、利用客がスマートフォンにダウンロードする同社の専用アプリケーション、利用客が予め金券(モバイル・クーポン)を購入するBASEのオンライン決済サービスである「PAY.JP」で構成する。

店舗は、クレジットカードの読み取り端末やPOS端末などの導入が必要無く、電子スタンプを設置すれば、導入コストや手間を抑えながら日本円を持たない訪日外国人の利用客に対応できるとしている。

同基盤の導入先としては、観光地等の通常店舗の他、イベント会場などの臨時店舗を想定している。

利用客は専用アプリケーションで事前にクーポンを購入できるため、現金を持ち歩く必要が無く、スマートフォンの画面を提示することで商品・サービスが購入できる。

また、店舗では電子スタンプのみで現金を扱わないため、つり銭の準備や盗難の心配が無く、特に食品を扱う店舗では衛生的にも配慮できるとのこと。

さらにイベント主催者は、電子スタンプの利用履歴から各出展店舗の売上予測や来場数などの利用客の属性情報を早期に把握でき、次のイベント企画に利用可能になるという。

電子スタンプは、実際のスタンプそのものの使い勝手でスマートフォンの画面に捺印が可能という小型電子処理装置。PlusZone /Stampは、500万を超える識別パターンを持つといい、多様なニーズごとに固有のスタンプを提供できるため、高いセキュリティを担保できる点が特長だとしている。

さらに、形状や押し心地が従来からある日本の文化に根付いた「はんこ」に近いといい、店舗の担当者も親しみやすく利用できるとしている。

サービスの流れ

今回の実証実験は、外国人観光客が多いという同マーケットにおいて、利用客のスマートフォンと店舗の電子スタンプを組み合わせることで現金を持たずに買い物ができるという、同基盤を利用して行う。

具体的な実験イメージは以下の通り。

1.スマートフォンに電子スタンプ利用のための専用アプリをダウンロード。

2.店舗側は 店舗ごとに電子スタンプを準備。

3.顧客は、商品引換用のモバイル・クーポンをPAY.JPで購入。

4.利用客は必要な金額分のモバイルクーポンをスマートフォンの画面に呼び出し、店舗側が電子スタンプを押すことで、クーポンの消費及び商品引換が完了。

5.マーケット終了後、モバイルクーポンの消費額に応じた金額をPAY.JPより店舗に振込む。