任天堂がスマートフォン・タブレット向けに配信を予定している「スーパーマリオ ラン」。配信日が12月15日と発表され、大きな盛り上がりを見せているが、一足先に体験プレイする機会を得たので、どんな内容になっているのかを紹介していこう。

体験会にはマリオも駆けつけた!

まずは「スーパーマリオ ラン」の概要をおさらい。本作は任天堂によるスマートデバイス向けゲームの第一弾で、ダウンロードと一部のステージのプレイは無料となっている。すべてのステージを遊ぶためには1,200円の課金が必要だが、一度支払えばそれ以降に課金要素は一切ない。

1,200円というとアプリとしては高額なイメージがあるかもしれないが、パッケージソフトとしては安価だし、ガチャのように射幸心を煽ることもないので、子どもにも安心して遊ばせることができるだろう。

ただ、アクションゲームであるマリオを、果たしてスマートフォンでどのくらい快適に遊ぶことができるのか。任天堂は「片手で遊べる」ことを売りにしているが、だとすれば今度は「片手で遊べる程度の難易度」ということになり、歯ごたえがなさすぎるのではないかという不安が出てくる。

そのあたりのバランスがどうなっているのか、実際にプレイして確かめてみた。

iPhone7で体験

「スーパーマリオ ラン」の見た目は、これまでのマリオシリーズを思わせるもの。違いといえば、マリオが自動でステージを走っていくということだ。タップするとジャンプし、長押しするとジャンプが高く、より遠くへ飛べる。従来のマリオシリーズを遊んだことがある人なら、タップ=ジャンプボタンと理解するとわかりやすい。ちなみにタップする場所は画面のどこでもOK。

「スーパーマリオ ラン」での操作らしい操作はこれだけだ。なるほど、これならたしかに片手持ちでも十分に遊ぶことができる。

クリボーを跳び越えるマリオ

ちなみに、クリボーやノコノコなどの敵キャラクターも登場するが、こういった小さな敵はジャンプしなくても跳び箱のような要領で勝手にマリオが乗り越えてくれる。これは、自動で走り続けるマリオのスピード感を殺さないための仕様だろう。

じゃあクリボーやノコノコは単なる飾りなのか、というとそうではない。たしかに正面からぶつかるとそのまま乗り越えてくれるのだが、たとえば上下二段に分かれているステージがあったとして、上の段を歩いているクリボーに下からジャンプでぶつかるとやられてしまうのだ。真正面からならただの障害物にすぎないクリボーでも、ステージ構成によっては手強い敵となるというわけ。

おなじみ地下ステージ

単純にジャンプしながら前進するだけのゲームでもない。ジャンプして壁に当たったところでタイミングよくタップすると、壁を蹴って逆方向にジャンプすることができる。この壁ジャンプを駆使して進まなければならない箇所も多い。

お化け屋敷はギミックがたくさん

ステージが進むとギミックもいろいろと登場する。たとえばお化け屋敷の扉に重なると別の場所へワープしてしまうため、入りたくなければジャンプで飛び越えなければならない。シリーズではおなじみのギミックであっても、マリオが自動で走り続け、ジャンプしかできない今作ではまた違った面白さがあって新鮮だ。

赤コインを集めるのが難しい

難易度のバランス調整もよくできている。単にコースをクリアするだけならそれほど難しくはないが(といっても2-3あたりから歯ごたえが出てくる)、各ステージには赤コインが配置されており、それらをすべて取ろうとすると途端に難しくなる。

何しろ、今作のマリオは自動で走り続けるため、後ろに戻れない(特殊ブロックを踏んで戻されることはある)。そのため、ジャンプのタイミングを間違えて赤コインを取り逃してしまうと、もうその回では戻って取り直すことができないのだ。

「あっ」と思ったときには赤コインを通り過ぎている……

よって、赤コインを全部集めるためにはコースを覚えてジャンプのタイミングを見極めるしかない。クリアはできても赤コインを初見ですべて集めるのは難しいというゲームデザインのおかげで、初心者から上級者まで楽しむことができるのだ。

ちなみに赤コインをすべて集めると、さらに難しい紫コインが出現する。それも取るとさらに……といった具合にどんどん難しくなっていくという。

スーパーマリオ ランには3つのモードがある。いつも通り、クッパを追いかけてステージを攻略していく「ワールドツアー」、他のプレーヤーとコースのクリア得点で競う「キノピオラリー」、そして集めたポイントで自分の王国を発展させる「王国作り」だ。

クッパを追いかけてステージを攻略していくワールドツアー

ポイントで王国を発展させる「王国作り」

他のプレーヤーと勝負する「キノピオラリー」

「キノピオラリー」での勝負はリアルタイムではなく、同じコースでどれだけポイントを稼いだかで勝負するモード。ポイントは取得したコインの数や、敵を踏みつけた回数、どれだけスムーズにステージを進めたかなどで決まる。負けると手持ちのポイントをすべて失ってしまうので、勝負する相手は慎重に選ぼう。逆にいうと、ポイントの高い相手に勝てば、一気に総取りできるチャンスがある。

勝利することで手に入れたピノキオや、持っているコインを使って行うのが「王国作り」。様々な建物などをコインで購入して、王国を発展させていく。アクションだけでなく、こうした継続的に遊べる要素があるのは嬉しい。

建物をコインで購入し、町に配置していく

体験して感じたのは、期待を裏切らないスーパーマリオ ランの面白さだった。スマートフォンならではの片手操作というシンプルさをハンデとせず、逆にそれを生かして新たなゲーム性を生み出したのはさすがの一言。

たしかにこれなら片手で楽しめる

「スーパーマリオ ラン」は、これまでのマリオシリーズファンはもちろん、歯ごたえのあるアクションゲームを楽しみたい人、ゆっくりと街づくりを楽しみたい人など、あらゆる人が楽しめる奥の深いゲームに仕上がっていた。

※プレイ画面は開発中のものです。
※プレイ画面の画像はすべてiPhone版のものです。

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