「EF16-35mm F2.8L III USM」は暗所にも強い

続いて、同じく新発売のLレンズ「EF16-35mm F2.8L III USM」を使った撮影画像を見ていこう。こちらは、2007年に発売された「EF16-35mm F2.8L II USM」の後継モデル。レンズ構成やコーティングを一新して、いっそうの高画質化を図っている。

新しい超広角ズーム「EF16-35mm F2.8L III USM」(希望小売価格:税別299,000円)を装着

下の写真は、16mm側を使用してF11で撮影。見た目以上に遠近が強調され、広がりのある写真となった。小さな枝や葉っぱの一つひとつをきっちりと描き分ける解像感の高さも確認できる。

絞り:F11 シャッター速度:1/60秒 感度:ISO100 WB:太陽光 レンズ:EF16-35mm F2.8L III USM

次のカットはF2.8で撮影したもの。開放値でも切れ味鋭い写りとなり、素材感を生々しく再現できた。特に中央部の解像は秀逸だ。開放値の場合、周辺減光が少々目立つが、ここではカメラ内で設定できる周辺光量の補正機能をあえてオフにして、減光を効果として生かしている。

絞り:F2.8 シャッター速度:1/30秒 感度:ISO100 WB:太陽光 レンズ:EF16-35mm F2.8L III USM

続いて、水族館で撮ったスナップ写真を見てみよう。光量が乏しいうえに、被写体は動き回るという難条件だったが、EOS 5D Mark IVのAFは迷わずテキパキと作動。ファインダー撮影でも、ライブビュー撮影でも、ピントに関してストレスを感じることはほぼなかった。

次の2枚は感度をISO25600まで上げたので、それなりにノイジーではあるが、被写体ブレが生じるよりはいいだろう。高感度にも関わらず、発色や階調の低下があまり目立たない点はありがたい。

絞り:F2.8 シャッター速度:1/320秒 感度:ISO25600 WB:オート レンズ:EF16-35mm F2.8L III USM

絞り:F2.8 シャッター速度:1/400秒 感度:ISO25600 WB:オート レンズ:EF16-35mm F2.8L III USM

絞り:F2.8 シャッター速度:1/400秒 感度:ISO2000 WB:オート レンズ:EF16-35mm F2.8L III USM

今回使用した2本の新しいLレンズ「EF24-105mm F4L IS II USM」と「EF16-35mm F2.8L III USM」は、どちらも旧製品に比べてレンズの全長が長くなり、重さも100g以上アップしている。そのため持ち運びの負担がやや増したが、それ以上に描写力向上のメリットは大きい。EOS 5D Mark IVが備える3,040万画素の精細感をきっちり生かせるレンズといえる。2本とも防塵防滴対応の高品位なレンズであり、外観デザインの面でもEOS 5D Mark IVによく似合う。

EOS 5D Mark IV本体の性能については、高画素センサーならではの精密なディテール表現力と、暗所に有利な高感度性能、スピーディなAF速度を堪能できた。不満は、液晶モニターの可動機構がないことくらいだ。

最近人気のミラーレスカメラに比べると機材の総重量はそれなりに重くなるが、大人の趣味、または仕事として写真を撮りに出掛ける用途なら許せる範囲だろう。言い換えれば、重量さえ納得できれば、操作全般が快適に感じられるはず。撮っている実感が味わえて、撮ること自体が楽しくなるカメラである。