おもに液晶事業向けの巨大投資となった「グリーンフロント 堺」

シャープは、液晶事業の不振がきっかけとなって業績が悪化。白物家電を含むコンシューマーエレクトロニクスの売上高は2015年度実績で、前年比17.5%減の8,170億円、営業損失は418億円減の218億円の赤字。だが、白物家電事業は黒字になっているという。

「白物家電では、ヘルシオホットクックをはじめとするヘルシオシリーズの販売が好調に推移しているほか、蚊取空清などの国内向け付加価値製品や、新興国向けローカルフィット製品などを投入しており、今後も付加価値と利便性の高い製品の提案していきたい」(シャープ・高橋興三前社長)と、家電事業の堅調ぶりを示す。

むしろ、シャープの白物家電事業は、「リーマンショックのときにも唯一影響を受けなかった事業」(高橋前社長)と、その体質の強さも強調してみせる。

ヒット作の「ヘルシオホットクック」(左)と「プラズマクラスター空気清浄機 蚊取空清」(右)

不適切会計処理が影響

一方で、東芝も全社業績悪化の要因は、PC事業などを舞台とした不適切会計処理が発端。白物家電を含むライフスタイル部門の売上高は2015年度実績で前年比31%減の8,026億円、営業損失が408億円悪化の1,505億円の赤字。2015年度は、白物家電も赤字となっているものの、「ライフスタイル部門の赤字の多くは、販売地域の絞り込みなど、事業規模を縮小したパソコンとテレビが影響している」(東芝の平田政善代表執行役上席常務)という。 そして、白物家電事業を担う東芝ライフスタイルの石渡敏郎社長は、マイディアグループ傘下での新方針として、「2017年度(2017年1月~12月)において黒字転換を図る」と宣言。「東芝の白物家電事業においては、継続的な構造改革を行っており、とくに、2015年度には思い切った構造改革を実施した成果もあり、大幅な固定費削減が図られている。2016年度にはその刈り取りができるほか、2017年度には、コストダウンの取り組み成果も期待できる。2017年度の黒字化には自信を持っている」と語ってみせた。

すでに黒字化のめどは立っているといることを示す。