Pokemon GOで、旅のあり方も変わる?

1週間でパリ、シドニー、香港、東京と4都市を周ったジョンソン氏。今回の旅については「世界的なポケモンブームのため、行った先々でPokemon GOのコミュニティができあがっていた。そこで数百人もの人たちに出会えた」と振り返った。

知らない国の知らない人々と、偶然触れ合うのが通常の旅行のスタイルとすれば、Pokemon GOの旅は「Pokemon GOのコミュニティを巡る旅」とも言える。「初めて行く場所にもPokemon GOのコミュニティができている。このため見知らぬ土地でも一人ではない、言わば帰属意識のようなものを感じることができる」と話していた。

ではPokemon GOのコミュニティはどうやって探したのか。それについては「旅に出る前にFacebook、SnapchatなどのSNSを利用した。どの国の、どこにコミュニティがあるかを調べ、彼らから情報の提供を受けた。旅先でもポケモン愛好者の人々に出会い、いろいろと助けていただいた。おかげで、世界中にたくさんの友人をつくることができた」としている。おしゃれな場所にも連れて行ってもらえたそうで、パリではエッフェル塔の下の芝生に寝そべって、シドニーではオペラハウスの前でポケモンを捕まえたという。

「Pokemon GOにより、人々は積極的に旅に出て、探検をするようになる。普通なら訪れない場所にも行く。こうした積み重ねが旅のあり方を変えていく」とニック氏。Pokemon GOが人の行動に影響をおよぼし、旅のあり方も変えていくと言えるだろう。ちなみに、Pokemon GOを始めて変わったこととして「体重が10ポンド落ちた。これは1日平均8マイルを歩いたおかげ。とても良い運動になったし、行く先々で色んな出会いがあった」とも話していた。

恋人や会社、同僚の理解もあり、1日に長い日では8時間プレイしたというジョンソン氏。Pokemon GOを通して様々な経験をしたと笑顔で話していた。ちなみに体重は10ポンド(約4.5キログラム)も落ちたとのこと

なぜ、日本を最終目的地に?

アジア地域限定のカモネギは、香港で捕獲したというジョンソン氏。であれば日本に来る必要はなかったとも言えるが、なぜ来日したのだろうか。それについては「ポケモンが日本に誕生してから20年が経つ。Pokemon GOの旅を締めくくるのに相応しいと思い、日本を最終目的地に選んだ」と説明している。

そんな日本で、体験した面白かったこととして「12歳の頃に数日間、家族で東京滞在を楽しんだことがあった。でも子どもの頃に見た東京とは印象が違って見えた。今回、楽しみながら街を散策した」と笑顔で話した。

続けて「日本人はポケモンへの愛着が深い。それは”ポケモンを好きな人はこういう人”、というステレオタイプを裏切るものだった。例えば、Pokemon GOを家族で楽しむ人たちがいた。散歩が健康にも良いという考えからか、定年退職後の人々が楽しむ姿もあった。皇居の近辺で、人々がポケモンを捕まえている光景も目にした。みんなでポケモン探しに興じている、そうした様子を見るのが楽しかった」と語っている。

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これまでも漫画、アニメといった日本発のエンタメコンテンツが海外でブームを起こしてきた。そうした経緯を考えれば、アメリカ人の多くがPokemon GOを日本のゲームと認識していても不思議はない。ニック氏は「Pokemon GOが日本のエンタメの入口になり、進撃の巨人、ファイナルファンタジーといった別ジャンルの作品にも関心を持つ人が出てくるのではないか。Pokemon GOの人気に乗っかり、日本の娯楽がグローバルに拡散できる良い機会になると思っている」と分析していた。