説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『外出先で遅いWi-Fiに捕まります……』という質問に答えます。

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iPhoneを含むスマートフォンでは、データ通信の経路にモバイル回線(携帯電話会社の通信網)とWi-Fiを選択できます。モバイル回線は1カ月の使用量上限があり、超えてしまうと通信速度が低下するなど不都合が生じるため、Wi-Fiを優先的に使うユーザが多いのではないでしょうか。

しかし、外出先で使うWi-Fiアクセスポイント(公衆無線LAN)は、お世辞にも完璧とはいえません。特に人の多い場所では、なかなかつながらない、すぐに切断されてしまい安定しない、などモバイル回線のほうが快適に通信できるほどです。

そのうえ、遅いWi-Fiアクセスポイントに自動接続してしまう事態も発生します。大手通信キャリアは、モバイル回線の混乱を防ぐために、スマートフォンの契約者向けに実質無料で公衆無線LANサービスを提供していますが、それが仇となる場合があるのです。電車で移動中、駅に停車するたび勝手にWi-Fiへつながってしまい、そのつど通信速度が低下した、という経験は多くのスマートフォンユーザがあるはずです。ご質問も、この状況を指しているのではないかと推察します。

遅いWi-Fiに捕まることを避ける確実な方法は、外出前にWi-Fiをオフにすることです。動画サービスの利用を控えるなど、つねにデータ量上限を気にかけなければなりませんが、モバイル回線はアンテナ5本で感度良好なのに電波が弱いWi-Fiをつかんでしまった、という事態は回避できます。

もうひとつの方法が、iOS 9から導入された「Wi-Fiアシスト」です。この機能を有効にしていると、Wi-Fiの電波強度が一定レベル以下のとき、モバイル回線を優先して通信を行うことが可能になります。基準となる電波強度を指定できないところが悩ましいものの、ご質問の状況はこれで回避できるのではないでしょうか。

Wi-Fiアシストを有効にするには、『設定』→「モバイルデータ通信」の順に画面を開き、いちばん下にあるスイッチをオンにします