4月1日、米Appleは創業40周年を迎えた。現時点で本国のWebサイトにおいて特別なページを用意するといったことは行われていないが、イギリスの公共放送局BBCが「1分で見るアップルの40年」と題した映像を制作するなど、さまざまなメディアがアニバーサリーを祝っている。

3月21日(米国時間)に開催されたスペシャルイベントでは、「40 Years in 40 Seconds」と題された映像が披露された。これはそのタイトルが示すよう、Appleの40年の歴史を40秒のテキストベースのアニメーションで振り返るというものだ。

Apple I(写真提供:Mac Fan)

Appleの創業は1976年の4月1日。創業者はスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック、そして資金の提供を行なったマイク・マークラの3名だ。最初の製品はマイクロコンピュータの「Apple I」。同年の4月16日に666.66ドルで発売し、約200台を生産、170台程度が販売された。

その後、「Apple II」「Lisa」などの製品を発表し、1984年に最初のパーソナルコンピュータ「Macintosh 128K」を発売する。この「Macintosh 128K」の発売に先立って、Super Bowl XVIIIで公開された、つとに有名な60秒の広告スポットは、リドリー・スコットが監督を務めている。

低迷した次期もあったAppleだが、スティーブ・ジョブズがCEOに復帰してからは破竹の勢いでヒット商品を連発する。「iMac」「iPod」が人気を博し、躍進が続く中、2007年に初代「iPhone」が投入された。「MacBook Air」「iPad」など、現在も主力の製品が2000年代後半に次々と発表され、そのポジションは磐石なものとなり、2012年には株式の時価総額で世界一となっていた。

そんな中、2011年10月5日にスティーブ・ジョブズが死去。折りしもiPhone 4S発表、発売というタイミングでの訃報にショックを受けた人も多かった。

ジョブズが亡くなる直前に、現CEOのティム・クックへとバトンが渡される。以降、「iPad mini」などが投入されるが、この間、株式の時価総額は6230億ドルを超え、米Microsoftが記録した史上最高額を更新していた。

そして2014年、Macintosh30周年となるこの年に、Apple Watchを発表。Apple Watchは2015年春に販売が開始される。販売実績は未だに明らかにされていないが、Apple Watchはウェアラブルデバイスという市場を開拓するマイルストーンとなった。

2017年に完成予定のApple Campus 2

先日のスペシャルイベントでは、「40 Years in 40 Seconds」披露ののち、製品ユーザーのプライバシー保護、環境問題への取り組み、健康・医療分野への貢献をアピール。これらが次の時代に向けてのAppleのビジョンであると、全世界へメッセージを送った。2017年にはスティーブ・ジョブズの「最後の作品」と目される、Appleの新社屋「Apple Campus 2」が完成する。この新しいキャンパスも典型的な研究開発用のオフィスビルと比べて、エネルギー使用量は30%削減できるという。真のイノベーションには、あらゆる事物への配慮が不可欠である。Appleはそれを信じ、実行し、企業として果たすべき責任をまっとうしていくことで我々の未来を開いていくのだ。