NTTコミュニケーションズ(NTT com)は2月18日、IoTの活用を加速させる技術検証環境「グローバルクラウドIoTテストベッド」の運用をパートナー11社と共同で開始した。

IoTテストベッドには、IoTに関連する技術・製品を保有する国内外のハードウェアベンダー、ソフトウェアベンダー、システムインテグレーターなどがアライアンスを組み参加する。

参加各社にはNTT Comのクラウドサービス「Enterprise Cloud」とグローバルVPN「Arcstar Universal One」 を参加期間中に無償で提供し、それらと各社の最新の技術・製品・サービスを組み合わせて実装に取り組む。

IoTテストベッドのシステム構成

IoTテストベッドに参加する企業は4つのテーマに関する技術検証を行う。

1つ目のテーマ「プロトコル変換ゲートウェイを用いたLANとWANの接続テスト」は、 NTT comとたけびしが担当。産業用Ethernetと呼ばれるベンダー固有の通信プロトコルを通信機器で標準プロトコル(OPC UA)に変換し、NTT Comのクラウドへ光ファイバーやモバイル回線で送信し、実際の通信速度やデータ処理性能の限界を測定する。

2つ目のテーマ「多拠点大量データの伝送およびリアルタイム処理性能テスト」は、NTT com、日本IBM、日本オラクルが担当。さまざまなベンダーのデバイスから送信される大量のデータを損失することなく確実にクラウドで受信し、リアルタイムに処理・蓄積できるネットワーク制御技術やミドルウェア、データベースシステムなどをクラウド上で動かし、データ処理性能や動作の安定性、実用性を検証する。

3つ目のテーマ「エッジコンピューティング技術の実装テスト」は、イノテック、インテル、NTT com、関東エルエンジニアリング、シーメンス、シスコシステムズ、ネットワンシステムズが担当。

大量のIoTデータの高速かつリアルタイムでの解析を低コストで実現するため、データ蓄積・処理機能をクラウドのほか通信ゲートウェイなどエッジ(デバイス)側にも分散し、効率的にデータ処理できるエッジコンピューティング・システムを構築し、処理性能や動作安定性を検証する。

4つ目のテーマ「IoTサービスの開発運用業務効率化に向けた各種APIを活用する開発手法の検証」は、ウフルとNTT comが担当。

新たなIoTサービスやアプリケーションの実現可能性を評価するため、GUIを用いて必要なAPIを任意に組み合わせ、短時間かつ簡易にIoTサービスの機能開発・追加ができる開発環境を構築。その上でPoC開発を行いながら使い勝手を評価し、サービス開発環境のさらなる利便性向上を目指す。

2016年4月以降にIoTテストベッドをグローバルVPN回線でつなぎ、海外拠点との接続も提供する予定。