アップルは10日、12月7日から13日までのコンピュータサイエンス教育週間に合わせ、コンピュータプログラミングの基礎を学べる無料のジュニア向けワークショップ「Hour of Code(コーディングの時間)」をApple Store各店で実施した。本稿ではApple Store, Omotesandoで開催されたワークショップの様子をお届けする。

当日のApple Store, Omotesandonoの様子。学校の授業を終えた小学生8名が参加

Hour of Codeは、コンピュータサイエンス教育普及を推進するNPO団体であるCode.orgが提唱している運動で、180カ国以上の生徒数千万人が参加している。Hour of Codeのイベントは誰でもどこでも開催することができ、この運動を以前より支援したきたアップルは、世界規模でスペシャルイベントを実施している。今回のワークショップは6歳以上を対象に実施され、筆者が取材した回には、学校の授業を終えた小学生8名が参加した。

ワークショップは、用意されたチュートリアルを進めることで、誰もがプログラミングの基本を1時間で習得できるような内容になっている。開始に先立って、参加者全員でビデオを視聴。ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグらが登場するこのビデオはYou Tubeでも見ることができる。ビデオを見終わると続いて、Apple Storeのスタッフから、注釈が。コードを書くことは、エンジニアだけがする事ではなく、皆に関係あることなのだというイントロダクションののち、各々で自己紹介。名前と将来の夢をお互いに伝え合う。その将来なりたい自分の姿と、先ほどの、コードを書くことは皆に関係あるよという話をつなげ、スタッフは、電子レンジなど身の回りにあるものもプログラムが動いていると丁寧な解説をしてくれた。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』をモチーフにしたチュートリアル

そしていよいよiPad miniを使ってチュートリアルを動かしていく。今回は映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に登場する球型のドロイド・BB-8を実際に動かしてみるというものだ。前作『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』が公開されたのは10年前だから、子供たちは知らないのではないかと思ったのだが、CMとタイアップをガンガン展開してるからか、意外と「知ってるー」という声が多かった。BB-8はコンピュータでコントロールされているという設定もあり、この課題に登場させるのにピッタリのキャラクターだ。映画の登場人物であるレイという女性と一緒にBB-8が部品を集めていくという動作を実行させるのだが、プログラムの構築は命令が書かれたブロックをつなぎ合わせて行っていく。

Apple Storeのスタッフがヘルプで入るが、すぐに答えを教えるようなことはしない

「前方に移動します。」「左に曲がる」「右に回転」といった基本的な動きが書かれたブロックを組み合わせて作業を進めるのだが、要領よく進められる子もいればそうでない子もいる。わが子が上手くこなせてない様子を見て、お父さんお母さんが助太刀に入ろうとするのだが「自分でやる!」と、解決法を自ら探ろうとする子が多かったのが印象的だ。スタッフも補助に入るが、こうしなさいと指示するのではなく「何回右に動いたらいいのかな?」といったようにヒントを与えるにとどめ、思考することに重きを置いていたところは高く評価したい。これは競争ではないから、何問解けたから偉いということではないし、それよりも、思考方法を鍛錬することのほうが重要なのだ。また、協力を仰ぐのに、その日その場で会った隣の子に声をかけるという姿も印象に残った。一緒に同じ作業をすることで、同じテーブルに座った子供たちの間で連帯感が生まれているようにも見えた。

お父さんお母さんが助太刀に入ろうとする場面も多かったが、自分で答えを探ろうとする子たちのほうが目立った

約1時間のワークショップが終了すると、修了証が授与され、作業で使ったアップルのイヤフォン「EarPods」がプレゼントされた。最後にゲストとしてバックルームからSpheroより発売されたBB-8が登場。iPadからコントロールして皆で楽しんだ。なお、ワークショップで採用されたチュートリアルはこちらから利用することができるので、興味があれば一度試して頂きたい。

最後は修了証を手にポーズ!