多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『あのタブレットはAndroid端末として使える?』という質問に答えます。

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「あのタブレット」が具体的に意味するところがわかりませんが、Amazonが展開する「Kindle Fire」のことでしょうか? ほかにも、「Android OSベース」のタブレットはいくつも存在しますが、わかりやすいのでKindle Fireを例に解説してみましょう。

Kindle Fireは、Android OSをベースに独自開発されたOS(Fire OS)を搭載したタブレットです。内蔵ストレージに多数のアプリがプリインストールされており、「Amazon Appstore」にアクセスすればアプリの追加も可能です。

しかし、「Android」を前面に押し出すことはできません。Fire OSはカーネルなどAndroid OSの基本的な機能一式を備える「Android Open Source Project(AOSP)」を活用しており、Android OSほぼそのままの基本機能を備えますが、Google PlayやGoogle MapsなどGoogleのオンラインサービスが利用できる「Google Mobile Service(GMS)」の認証は受けていません。OSとしての基本機能はAndroid OSほぼそのままですが、「Androidタブレット」とはいえないのです。

一方では独自機能も追加されています。Amazonが提供する動画や音楽、電子書籍といったコンテンツを利用できるほか、独自のWEBブラウザ「Silk」を搭載するなどAndroidタブレットとはアプリ構成が異なります。とはいえ、基本機能はAndroid OSほぼそのままですから、Google Playで公開されているAndroidアプリのうち一定割合はKindle向けにも公開されています。

他のAndroid派生タブレットも基本的なしくみは同じですが、アプリストアはKindleほど大規模ではありません。アプリによる拡張性を考慮すると、"Android端末として使える"かは少々疑問です。

Androidをベースに独自の拡張を施したタブレット「Amazon Kindle」