富士通、東芝、VAIOの3社がPC事業を統合するという一部報道に対し、富士通は4日、「当社が発表したものではない」という公式コメントを掲示した。
これは4日、日本経済新聞やNHK、共同通信などが報じた件に対するもの。これらの報道によると、富士通と東芝は苦戦しているPC事業を統合し合弁会社を設立、2014年7月にソニーから独立したVAIOも参加する可能性があるとする。
富士通は10月29日にPC事業、携帯電話事業の分社化を発表。2016年春を目標に、それぞれ100%子会社とする計画を明らかにしつつ、「いろいろな選択肢があり、状況の変化を見ていく」としていた。今回の報道に対し「分社化後の事業成長に向け、さまざまな可能性を検討しているが、決定しているものはない」とコメントしている。
東芝は2015年4月に不適切会計問題が発覚して以降、経営陣が交代するなど混乱が続いている。今回の報道に対しては「自社で発表したことではなく、決まっていることは一切ない」と述べている。
一方、VAIOは2014年7月の発足以来、法人・コンシューマをターゲットとしながら、堅調に事業を進めている。今回の報道に対し「憶測記事であり、取材に基づいたものではない。当社発表ではなく、コメントすることはない」とした。
2015年2月にIDC Japanが発表した、2014年の国内PC出荷台数によると、NECレノボグループが404万2000台・シェア26.3%で首位。続いて、富士通が289万8000台・シェア18.8%で2位、東芝が187万5000台・シェア12.2%で3位。仮に富士通と東芝が統合した場合、出荷台数・シェアとも現在首位のNECレノボグループと逆転する。