X20iの詳細と試聴インプレッション
新フラッグシップ「X20i」の見どころはいくつかある。耳穴よりひと回り大きい程度のハウジングと曲線を生かした独特のフォルムはX10を思わせるが、構造はまるで違う。新開発のBA型ツイーター「KG-125」とBA型ウーファー/フルレンジ「KG-926」のデュアルドライバー構成を採用、再生周波数帯域は5Hz~40kHzのハイレゾ仕様だ。
独自形式のコネクタ「SSMCX」を採用した点にも注目したい。従来のMMCXより約35%小型化されたコネクタで、コンパクトながらも交換・修理を可能とする。バランス接続タイプのケーブルを年内に発売予定とのことで、リケーブルも視野に入る。
X20iの肝心の音だが、想像していたよりも各帯域のつながりが好印象だ。中高域にかけてのヌケのよさには、X10を彷彿とさせる部分もあるが、低域の印象がだいぶ違う。ウッドベースはより存在感があり沈みこむようで、スネアの音も余分な付帯音を感じずキレがある。このあたりが、AcuPassのローパスフィルターの効果なのだろう。
デザインもいい。X10がロングセラーとなった背景には、音質だけでなくそのコンパクトさと流麗なデザインがあった。高級機になるほど大きく、奇抜なデザインになりがちなインナーイヤーだが、このクラスでこのプロポーションを維持したところに、Klipschというメーカーのポリシーが垣間見える。