伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月26日、オープンソースのクラウド基盤ソフトウェアであるOpenStackのビジネス強化を目的にシステム構築のコンサルティングと導入支援サービスを提供する米Solinea社(ソリネア)に出資すると発表した。

OpenStackは、パブリッククラウドとプライベートクラウドを含めて、仮想サーバ、ネットワーク、ストレージなどのITリソースについて効率的な管理を実現するオープンソースソフトウェア(OSS)。

ソリネアは、OpenStackを中心にDocker(オープンソースとして公開されているコンテナ型の仮想化ソフトウェア)やKubernetes(Googleがオープンソースとして公開しているコンテナ型仮想化のDockerを管理するフレームワーク)などのOSSソリューションを活用し、北米でインフラ構築やシステム導入支援のサービスを展開しているIT企業だ。

また、特定のOpenStackディストリビュータには依存せず、OpenStackを含めたOSSを組み合わせて、顧客のニーズに適したインフラを構築することを強みとしている。OpenStackの導入時のプランニングから導入後のDevOps(開発と運用を組み合わせたソフトウェア開発手法)を活用した運用までトータルなサポートを提供し、欧州やアジアでも大規模なシステムの構築実績がある。

CTCは2013年からOpenStack上で処理内容に応じてインフラを自動制御するクラウドネイティブ・アプリケーションの開発や、OpenStackを活用した次世代ITインフラ「Open Cloud Package」の提供などに取り組んでいる。

同社では、OpenStackを活用したクラウドインフラの設計・コンサルティングサービスと導入支援サービスを強化することを目的にソリネアに出資。

今後、CTCでは次世代クラウド技術の研究・開発を行う組織「Cloud Innovation Center」を中心に、11月から段階的にソリネアによる社内トレーニングを開始し、2016年度からは同社へのエンジニアの派遣を通してOpenStackの知識・経験を備えたグローバル人材の育成を図る考えだ。