伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月9日、SAPジャパン及び米Virtustreamと共同で、基幹系システムの安定稼働に特化したクラウド・サービス「CUVICmc2(キュービックエムシーツー)」の提供を2016年4月から開始すると発表した。
新サービスは、パフォーマンスやセキュリティの面で世界的に定評と実績があるというVirtustreamのIaaS技術をベースに、SAPなどの基幹系・ERPソリューションをCTCのデータセンターから提供するもの。また、既に統合業務ソフトウェア(ERP)であるSAP ERPを国内で使用している企業に対しても、クラウド環境への移行サービスを提供する。
SAPソリューションについては、データベースのトランザクション処理と分析処理を統合したインメモリ・プラットフォームであるSAP HANAや次世代ERPソフトウェアであるSAP S/4HANAなどの提供により、既にSAP ERPを使用しているユーザー企業のシステムのクラウド環境への移行を支援するとのこと。他のERPソリューションを利用したシステムに対しても、安定的かつセキュアな環境を提供するとしている。
Virtustreamは、世界の企業や政府機関に対して基幹系システム向けのIaaSサービスを展開しているとのこと。CPU/メモリ/ネットワーク/ストレージを複合的に計測し、効率的な使用を可能にするという特許技術「μVM(マイクロヴイエム)」により、仮想環境でのリソースの実使用量を把握でき、仮想サーバで3割ほどになるというアイドル時間を除いた課金体系を実現するという。
また、μVMに基づくリソース管理技術「xStream」が、IaaS上で稼働するアプリケーションの負荷に応じてリソースを自動的に管理することで、ミッション・クリティカルなシステムに対してSLA(Service Level Agreement)に基づくパフォーマンスを提供できるとしている。SAP製のソフトウェアと親和性が高く、アプリケーションレベルでのSLAも提供しているとのこと。Virtustreamが世界で提供している6割のIaaSではSAP製ソフトウェアが稼動しているという。
セキュリティについては、CPUレベルでの暗号化技術であるIntel TXTやポータルの2要素認証を含め、SSAE16、ISAE3402、PCI-DSS 2.0、FISMA、HIPAA/HITECなど、金融機関やライフサイエンス、政府といった各業界で要求されるシステムの規格に対応しているとのこと。