消費電力と温度

最後に2枚のGeForce GTX 980 Tiにおける、Windows 8.1アイドル時と3DMark実行時の消費電力とGPU温度の測定結果を紹介しておこう。大幅なオーバークロックが施され、PCI-Express補助電源ケーブルからの電源供給量も増えているSTRIX-GTX980Tiだが、比べてみると消費電力はそれほど増えておらず、むしろ誤差レベルの差しかないのがわかる。

最低【Windows 8.1 アイドル時】 最高【3DMARK実行時】
STRIX-GTX980Ti 64W / 39度 340W / 72度
GeForce GTX 980 Ti 60W / 40度 338W / 84度

これは、電源回路設計「Super Alloy Power II」の効果が表れた結果といえるだろう。GPU温度面では、最高温度の差が12度と大きい。オーバークロックが行われていても、STRIX-GTX980Tiにはまだまだ温度的な余裕がある。

トリプルファンが静かに、そして強力にGTX 980 Tiを冷やす準ファンレスカード

「ASUS STRIX-GTX980TI-DC3OC-6GD5-GAMING」は、消費電力と発熱の大きい「GeFroce GTX 980 Ti」を搭載したグラフィックスカードだが、これまでの「STRIX」シリーズ同様、いやそれ以上に静かに、かつしっかりとGPUを冷やすことに成功している。

しかも、大幅なオーバークロックによってリファレンスモデルから大きく性能を引き上げている。さらに「ゼロノイズファン」による準ファンレス動作といった機能が利用できる点も大きい。

静音性へのアプローチを捨てることなく、ハイエンドGPUの性能を余すことなく引き出したASUSの秀作であり、GeFroce GTX 980 Ti搭載カードの本命といえるだろう。

性能面ではまったく問題ないが、1つ気になるのが価格だ。海外に目を向けるとAmazon.comでは699.99ドルで販売されている。本稿執筆時点の為替レートは1ドル123.9円程度で、これで計算すると約87,000円だ。しかし、日本での想定価格は税込み120,000円前後とかなり異なる。もちろん流通コストなどを考えると、ある程度価格が上乗せされるのは分かるが、それにしても不思議な値付けとなっている。

日本国内では、ほかのオリジナルファン搭載のGTX 980 Tiカードも100,000円前後から120,000円前後の価格となっているので、本製品がそこまで高いというわけではないが、ほかの製品と合わせて価格が落ち着いてくることを願いたい。