フジヤエービック主催の「ポータブルオーディオ研究会(ポタ研)2015夏」が7月11日、東京・中野サンプラザで開催された。ここでは、当日注目を集めていたプロダクツをまとめて紹介していく。

Cayinのハイレゾプレーヤー「N6」 - コペックジャパン

コペックジャパンブースでは、Cayin社のハイレゾプレーヤー「N6」を国内初出展。DACチップにハイエンドオーディオにも使用されるテキサス・インスツルメンツ社の「PCM1792A」を左右チャンネルに各1基使用し、192kHz/24bitとDSD 128のネイティブ再生に対応している。

Cayin社のハイレゾプレーヤー「N6」

容量5,600mAhのリチウムイオンポリマー充電池を内蔵し、約6~8時間の連続再生が可能だ。本体サイズはW72×D19.7×H126mmで、質量は225g。価格は99,800円(税別)だ。

Vsonic社のIEM。左から「GR07 Classic」「VS06」「VS03」

また、7月4日より取り扱いを開始したVsonic社のIEMも展示していた。同社が取り扱うのは、「GR07 Classic」「VSD5」「VSD3」「VSD3S」「VSD2」「VSD1」の6製品。いずれもダイナミック型ドライバーをシングルで搭載するシンプルなIEMだ。価格はオープンだが、ハイエンドモデルのGR07 Classicでも推定市場価格が17,296円前後、エントリーモデルVSD1では4,889円前後(いずれも税別)。高いコストパフォーマンスも大きな特徴となっている。

「P5 S2」のワイヤレスバージョン「P5 Wireless」

Bowers&Wilikins社の「P5 Wireless」

ディーアンドエムホールディングスブースでは、7月1日に発表したBowers&Wilikins社の新作ヘッドホン「P5 Wireless」が展示されていた。P5 Wirelessは、2014年9月に発表した「P5 S2」をベースに、Bluetooth 3.0に対応させたモデル。音声コーデックはSBC、AAC、aptXを利用できる。

Bluetooth以外の部分はP5 S2を踏襲しており、コンパクトなオンイヤータイプのハウジングにはφ40mmのドライバーを搭載。有線接続した場合のサウンドは、基本的にP5 S2と同じクオリティーを実現しているという。なお、P5 Wirelessのサウンドチューニングは、同社のスピーカー「800シリーズ」を手がけたチームが行っている。

イヤーパッドの内側には、有線接続用のコネクタケーブル配置されている

OPPOは「HA-2」と「PM-3」のカラバリモデルを参考出展

参考出展されていた「HA-2(左)」と「PM-3(右)」のカラバリモデル

OPPO Digital JAPANブースでは、USB DAC内蔵のポータブブルヘッドホンアンプ「HA-2」と、平面駆動式ポータブルヘッドホン「PM-3」のカラーバリエーション各4色を参考出展。

HA-2は色によって表面の素材も変えており、濃茶と薄茶は本革、紺と赤にはスエードが貼り付けられていた。同社には、HA-2の発売時からカラバリモデルの要望が多数寄せられていたという。会場での反応を見て、今後の商品化に向けて判断したいとのことだ。

ほとんどのイヤホンをA級動作でドライブできるポータブルアンプ

「PEHA-100」

オーディオデザインはアナログ入力専用のポータブルアンプ「PEHA-100」を展示。特徴となっているのが、オペアンプにバッファランプを組み合わせた回路構成と強力な電源回路。+3.7Vから±6Vに昇圧することで、90%以上のイヤホンを、A級動作でドライブできる。

電源部とアナログアンプ部を完全に分離したケースを採用

Androidベースのハイレゾプレーヤー「AR-M2」 - フロンティアファクトリー

Acoustuic Research社のハイレゾプレーヤー「AR-M2」

フロンティアファクトリーは、4月に発売したAcoustic Research社のハイレゾプレーヤー「AR-M2」を出展。Android OSを搭載し、音楽再生には独自アプリ「AR Music Player」を使用する。DACは「PCM1794A」。44.1kHz系と48kHz系のそれぞれに独立したクロック発信子を搭載。オペアンプには「OPA2134」を2基、ヘッドホンアンプには「TPA6120A2」を採用している。

サトレックスとクラリオンがフルデジタルヘッドホンを出展

サトレックスは7月7日に発売したフルデジタルヘッドホン「DH291-D1」を展示。DH291-D1はTrigence Semiconductor社が開発したDnote技術を採用一般的なシステムでは、デジタル信号はDACを通してアナログ信号に変換されるが、DH291-D1の場合、デジタル信号のままドライバーユニットまで信号を届ける。96kHz/24bitまでのハイレゾ音源の再生が可能だ。

サトレックスのフルデジタルヘッドホン「DH291-D1」

また、クラリオンもフルデジタルヘッドホンを参考出展。こちらもDACを使用せずに、ダイレクトにデジタル信号を再生するヘッドホンだ。フルデジタルドライバーICによって入力された信号をオーバーサンプリングし、6chのデジタル信号に変換。6つのボイスコイルを使用したドライバーユニットでダイレクトに再生する。

クラリオンが参考出展したフルデジタルヘッドホン