キヤノン「PowerShot G3 X」は、1型センサーと光学25倍ズームを搭載したレンズ一体型のカメラだ。同社の1型センサー搭載機としては、光学4.2倍ズームの「PowerShot G7 X」を2014年に発売しているが、そのセンサーサイズを受け継ぎながら、さらなる高倍率化と高機能化によって撮影領域を広げたモデルがPowerShot G3 Xである。発売は6月25日。さっそく入手した実機による製品レビューをお伝えしよう。

キヤノン「PowerShot G3 X」。キヤノンオンラインショップ価格は税別106,800円(6月19日時点)

PowerShot G3 Xにおいてまず注目したいのは、大型センサーと高倍率ズームの両立を図ったこと。1型センサーを搭載したコンパクトデジタルカメラといえば、これまでは3倍前後のズーム倍率が主流で、高倍率タイプでも8~16倍程度。それ以上の倍率を求める場合は、小さなセンサーを搭載した機種を選ぶしかなかった。

だがPowerShot G3 Xは、1型センサー機では初めて光学25倍を実現。35mm換算の焦点距離はワイド端24mm相当、テレ端600mm相当。あらゆる用途に対応できる焦点距離だ。

神田明神の青龍をクローズアップで撮影。背景までの距離が長くなるアングルを選ぶことで背景をぼかし、立体感を強調している。絞り優先AE(F5.6 1/320秒) ISO250 WB:太陽光 焦点距離:220mm(35mm判換算で600mm相当)

下の写真は、ズームの両端で撮影したもの。ワイド端では目の前の眺めをすっぽりと収めることができ、テレ端では一部分のみをクローズアップで写せる。もちろん光学式手ブレ補正機構も内蔵。600mm相当の手持ち撮影でも、手ブレのミスを最小限に抑えられる。

ワイド端で撮影(24mm相当)

テレ端で撮影(600mm相当)

ワイド端で撮影(24mm相当)

テレ端で撮影(600mm相当)

ワイド端の状態

テレ端の状態

絞り開放値は、ワイド端F2.8、テレ端F5.6となる

ズームは、グリップ上部のレバーで操作する

背面のホイールにステップズームを割り当てることも可能だ

レンズキャップは着脱式のものが付属する