ハッカソンで審査員を務めたウォズニアック氏はエンジニアへ、どのように仕事に取り組むべきかを、自身の経験を交えて話す。

「自分たちの世代では、子供時代に学校でコンピューターなど学ぶ環境がなかった。まだまだアナログの時代で、無線もろくに普及していなかった。そんな中で、0と1を組み合わせるデジタルの"ロジックゲーム"に夢中になった。高度な数学じゃなくて、この単純なゲームが面白いと思ったんだ。

ハードウェアやソフトウェア、どちらも論理的な考え方が好きだった。私の父はロッキード・マーティンで働いていたが、ロケットを飛ばす宇宙用の半導体は非常に高価なものだった。こうした環境の中で、コンピューターのアーキテクチャの魅力に気づいた。

自分が見たものを実際に何か有益なことに使えないかと思って、コンピューターのパーツを試行錯誤して設計した。どんどんパーツを変えていったんだよ! 本当に好きで仕方なかったんだ。

当時は、コンピューターのエンジニアという道があるなんて思っていなかったけど、大学院でコンピューターの講義を取ろうと思ったんだ。ただ、大学院ですら初歩的な文字を打ち込むようなクラスしか存在しなかった。もちろん成績はAだったよ(笑)。

のちにApple IIを作った時も、色んな人に、設計や回路図からソフトウェアの魅力を全て自分たちの手で作れるという魅力をまとめて伝えたかった思いがあるんだ。今は色んな物にトライできる環境が揃っている。自分自身の興味を発見することが重要だよ。

私はエンジニアとして今でも仕事をしている夢を毎日20時間も見ている(笑)。目が覚めたら設計して、発明にいそしんでいる。ものを作ることが本当に好きなんだ」(ウォズニアック氏)