カシオ計算機は3月26日、録音済みの音声の聞きたい箇所を文字入力により検索できるiOS向けアプリ「キーワード頭出し ボイスレコーダー」を公開した。通常販売価格は500円だが、4月30日まで300円で提供する。App Storeからダウンロード可能。同アプリの公開に先立ち、記者説明会が開催されたので、そちらの様子をお伝えする。

録音済みの音声の聞きたい箇所を文字入力により検索できる、キーワード頭出し ボイスレコーダー。4月30日まで300円の特別価格で提供する

キーワード頭出し ボイスレコーダーは、大学生の反復学習やビジネスシーンでの議事録作成などに活用できるアプリ。例えば会社で行われた1時間の会議を録音し、後から「新しいアプリ」の話が出た部分だけを聞き直したいとしよう。従来のボイスレコーダーであれば1時間の音声を聞き直す必要があったが、キーワード頭出し ボイスレコーダーなら「あたらしいアプリ」と"かな"で入力し検索を実行するだけで、「新しいアプリ」という発言が出た部分のタイムリストが表示される。適宜、再生ボタンをタップすれば再生できる仕様だ。

アプリの利用画面。かなで入力して検索すると、キーワードの発言が出た箇所がピックアップされる

同アプリでは無音部分を飛ばせる「無音スキップ」、2倍速・3倍速で再生できる「倍速再生」、録音中の雑音を和らげる「ノイズキャンセル」、録音/ 再生時にマーク・メモ・写真を貼り付けられる「タグ付け機能」なども利用できる。

無音スキップ、倍速再生、ノイズキャンセル、タグ付け機能など効率的に聞き直しできる機能を多数搭載する

記者説明会では、同社 研究開発センターの井手博康氏が登壇しアプリの仕組みについて説明した。キーワード頭出し ボイスレコーダーでは、かなで入力された検索キーワードを「音声特徴」に変換する。一方で、録音データからは「音声特徴の検索インデックス」を作成。その上で、双方の音響的に類似する箇所を照合しているという。井手氏は「一般的に、音声データから"音声特徴量"を抽出するとデータが大きくなってしまう。しかし今回のアプリでは、検索に必要な部分のみを捉えることに成功した。その結果、データ容量をコンパクト化でき、サーバーにアクセスせずに済むようになった。端末内で処理が完結することで待ち時間の短縮につながり、より実用的になった」と解説した。

研究開発センターの井手博康氏(写真左)。検索キーワードの音声特徴と、録音データの音声特徴を照合している

キーワード頭出し ボイスレコーダーの利用イメージ