情報処理推進機構(IPA)は2月17日、「2014年度 情報セキュリティの脅威に対する意識調査」「2014年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査」の結果を発表した。報告書をWebサイトで公開している。

この調査は、情報セキュリティに関する対策情報の発信、普及啓発等の活動に役立てることを目的としている。13歳以上のPCやスマートデバイスでネットを利用している人を対象にWebアンケート調査で実施。有効回答者数はPCが5000名、スマートデバイスが3500名となっている。

PC利用者に対して、使用しているパスワードの設定方法などについて調査したところ、前回調査と同様に「パスワードは誕生日など推測されやすいものを避けて設定している」や「パスワードは分かりにくい文字(8文字以上、記号含む)を設定している」は全体の半数以上が実施していた。

ただ、10代がそれぞれ36.4%、39.2%と全体の割合に対して低い結果となった。

「ID・パスワードの管理方法」

また、「サービス毎に異なるパスワードを設定している(29.2%)」は「10代(15.8%)」「レベル1(15.4%)」と、全体的に低い実施率にとどまった。パスワードリスト攻撃による不正ログインの被害が相次いでいる状況から、パスワードを適切に設定・管理し、自分自身でアカウントを守る意識が求められるとIPAは注意を促している。

一方で、ネット上で何らかの投稿をした経験がある利用者において、悪意ある内容の投稿をしたことがあるか調査したところ、前回調査と比較してパソコン利用者では4.2ポイント減少したものの、スマートデバイス利用者では3.4ポイント増加した。

「悪意のある投稿経験がある場合」

その理由を聞いたところ、前回調査から増加したポイント数の多い順に、「相手に仕返しをするために(13.2%)」が+5.4ポイント、「人の意見に反論したかったから(32.3%)」が+4.4ポイント、「炎上させたくて(6.8%)」が+4.0ポイントであった。

さらに、投稿後の感情を聞いたところ、後悔や反省を感じる割合は少なく、「気が済んだ、すっとした(31.9%)」と最も多かった。インターネット上に投稿した内容次第では、その情報が広範囲に拡散し、削除できなくなることがある。一時的な感情に任せた投稿をしないよう、冷静に行うことが必要としている。

「利用者がスマートデバイスで悪意ある投稿を行う理由」