初日はそのほか、3回のトークセッションが行われた。ここでは、鉄道写真家・長根広和氏のセッションを紹介しよう。

鉄道写真家の長根広和氏。サンディスク製品の信頼感とともに、鉄道写真の撮影テクニックも

長根氏は、フィルムカメラからデジタルカメラへの移行が比較的遅かったものの、当初からサンディスクの記録メディア(フラッシュメモリー製品)を使用しているそうだ。そして現在まで、記録メディアの故障やデータ消失といったトラブルがまったくなく、信頼性の高さをサンディスク製品の強みとして挙げていた。

さらに最新の製品は転送能力が高く、デジタルカメラで高速連写を行っても転送待ちになることが少ない点も強調。現場で大量に連写してもストレスを感じず、最高の1枚を選べると語る。また、トークセッションに集まったファンにとって嬉しかったのは、鉄道写真に関するアドバイスだろう。

あとから伺った話では、メモリカードは新しいカメラと一緒に「その時の最大容量製品」を選んでいるとのこと。特に「○年で交換」ということは行っていないそうだ。カメラの交換サイクルまで同じ記録メディアを利用できるなら、信頼性と高速書き込みというポイントでサンディスク製品を選ぶ意義は高そうだ。

長根氏が記録メディアを選ぶポイントは書き込み速度。連写し続けるためには高速に書き込める記録メディアが必須

実際の撮影例。サンディスクの「Extreme PRO」なら、遠くから走ってくる電車を連写していても、記録メディアへの書き込みが途切れず撮影できる。あとでゆっくりベストショットを選べばよい

今回のトークのためにわざわざ買ってきたという「メーカー名も書いてないSDカード」を使った場合、カメラのバッファメモリが一杯になると撮影が途切れてしまう。旅費と時間をかけて撮影に出かけたのに、ベストショットが撮れるかどうかは運次第…というのは困る

撮影テクニックに関しては2つ紹介していた。電車の編成写真は左右のバランスを考え(赤い部分)、電柱が目立たず(青い部分)、列車に影が映りこまない(黄色い部分)ように、あらかじめ構図を考えておく

鉄道風景写真では全体にメリハリを。全体の構図を4分割して、列車と主題の風景をクロスさせるのが良い作品になるとアドバイスしていた。写真の例では右上に主題となる「山」、左下に電車が写っている

また、サンディスク 代表取締役マネージング・ディレクターの青柳マテウ氏がいらっしゃったので、簡単にお話を伺った。青柳氏によると、サンディスクは1988年の創業以来、イノベーションを追求。外部からの評価の一例として「トムソン・ロイター Top100グローバルイノベーター」を4年連続で受賞している(この賞は知財分野の革新企業を選出するもので、4年連続は賞の開始から受賞を続けていることを意味する)。

サンディスク 代表取締役 マネージング・ディレクター、青柳マテウ氏

サンディスクはフラッシュメモリ関連の特許を5,000以上も取得しており、これがフラッシュメモリ業界でリーダーポジションを確立、継続する源になっているという。一方、単に技術を追求するだけでなく、時代のニーズを的確にくみとった製品化を進めてきたとする。

「最近はエンタープライズ領域(主にデータセンター向けSSD)や、組み込み市場(主にスマートフォン内蔵のフラッシュメモリ)が伸びていますが、一般消費者向けのビジネスも同様に重要なセグメントです。イメージング分野はサンディスクのブランド力を生かせるところなので、今後もメモリカード製品には継続して力を入れていきます」(青柳氏)。

具体的には、4K映像の撮影においては、高速書き込みと信頼性がより重要になってくるので、サンディスク製品に優位性があるとした(これは先述の鉄道写真家・長根氏の言とも共通する)。メモリカードはデジタルカメラの中で使われてこそ力を発揮する製品なので、カメラメーカー各社とも協力して製品開発を進め、メーカーにもユーザーにも満足してもらえる製品を提供していくと述べた。