英Raspberry Pi Foundationがカードサイズのシングルボードコンピュータの新製品「Raspberry Pi 2 Model B」を2日(現地時間)に発表したが、米MicrosoftがWindows 10で同製品をサポートすることを明らかにした。 「Windows Developer Program for IoT」を通じて、Raspberry Pi 2互換のWindows 10を無償提供する。リリースは今年後半の予定。
Raspberry Pi 2は35ドルという価格はそのままに、性能を大幅に強化したRaspberry Piの第2世代モデルだ。従来のModel BのプロセッサがARM11を採用したBroadcom「BCM2835」(700MHz、シングルコア)だったのに対して、Raspberry Pi 2はARM Cortex-A7のBroadcom「BCM2836」(900MHz、クアッドコア)。メモリーも従来モデルの512MBから1GBに増量された。日本国内ではアールエスコンポーネンツから販売されており、価格は4,291円(税別)。
Windows Developer Program for IoTは、成長著しいIoT(Internet of Things)の製品開発をWindowsプラットフォームでサポートするプログラム。すでにIntel Galileoボードのサポートを実現している。
Raspberry PiとMicrosoftは6カ月前から協同開発を進めてきたというが、今回はRaspberry Pi 2にWindows 10を対応させることを発表したのみで詳細は不明だ。カスタムバージョンのWindows 10、Windows 10 "Athens"(リソースが限られる低価格デバイス向けに最適化)、.Net Micro Framework(ウエアラブルや小型センサー向け)など様々な可能性が考えられるが、All About MicrosoftでMary Jo Foley氏はWindows 10 "Athens"になると推測している。Windows IoT GroupのKevin Dallas氏は「これから数カ月の間に、Windows 10をIoT向けに展開する計画の詳細を説明する」としており、WinHEC 2015(中国深川、3月18日-19日)またはBuild 2015(米サンフランシスコ、4月29日-5月1日)で明らかになりそうだ。Windows 10のRaspberry Pi 2対応と共に、OneCore戦略を展開するMicrosoftが開発者やユーザーが増加するIoT市場にWindows 10をどのように浸透させるかも注目点になる。