Bluetooth 4.2でモノとモノのIP通信が現実に

次にNordic Semiconductor ASA (Japan) カントリー・マネージャーの山崎光男氏が登壇。IoTにおけるBluetooth Smartの状況について説明した。

Nordic Semiconductor ASA (Japan) カントリー・マネージャーの山崎光男氏

現在の(主にコンシューマー用途の)スマートデバイスはBluetooth Smartを使い、データ収集手段としてスマートフォンやタブレットがゲートとなってネットワークやクラウドに接続する。

これがBluetooth 4.2になるとIPv6によるインターネットへの直接アクセスが可能となる。そこでIPベースのプロファイルによって異機種ネットワークが構築でき、そこで仲立ちとなるのは常時インターネット接続されるルーターの存在だ。

すでにUS市場ではWi-FiルーターにBluetooth Smartが含まれた製品が存在しており、日本でも近い将来登場するという。

従来のBluetooth Smart機器は単独でのネットワーク接続機能を持たなかったので、スマートフォンなどのインテリジェントなハブを必要としていた

Nordicはこの分野での製品を多くの会社で採用されている。「Nordic入ってる」だ

Bluetooth 4.2でIPv6をサポートするので、インテリジェントでないゲートウェイを介せばインターネット接続が行えるようになる

そしてIPv6でモノがサービスに直接アクセスできるようになる。一方で基本的なスタックは業界標準のものなので、新たに必要とされる部分(画像黒いところ)は少ない

IP通信によって、異機種間のネットワークも実現される。このあたりは業界でのアライアンスとAPIで大きく状況が変わりそうだ

NordicはnRF51シリーズに対してIoT SDKの提供を開始。また、アプリケーション向けの開発キットも用意されている

NordicとしてはそのためにnRF51 SoC(System On Chip)に対してのIoT SDKの提供を開始し、2020年には280億個のIoTデバイスの接続をサポートする。

仲介するだけのルーターも今後登場。と言ってもUS市場ではすでに発売されており、日本市場でも近日中に発表されるとのことだ

IPv6を使ったモノとモノのネットワークがこれによって実現される

2020年までにインターネット接続されるIoTデバイスが280億というデータを示して、市場の大きさをアピール

最後に株式会社アプリックス Deep embedded エバンジェリストの今井環氏が登壇した。

株式会社アプリックス Deep embedded エバンジェリストの今井環氏

同社はもともとJavaの開発で知られていたが、2004年より、Bluetoothを扱うIF仕様JSR82開発への参加を通じてBluetoothに関わり、M2MやIoT製品を開発。2010年からはハードウェアを含めて提供を開始した。特にBluetoothを使ったビーコン製品では幅広い製品群を取り揃えているのが特徴となる。

かつてはJAVAのアプリックスのイメージだが、2004年からはBluetoothに注視、2010年からハードウェアの提供も開始した

最近はBeacon技術に注視していて、製品種が非常に多い

2012年に組込み用に使えるJM1を発表。これが使われている事例も様々だ

アプリックスとしてはBluetooth 4.2の省電力性と高速性、機密性に期待しており、Bluetooth 4.2対応製品を積極的に開発していきたいという。

Bluetooth 4.2の特徴はエレット氏の主張と同じだが、対応機器を積極的に開発するという